こちらのコーナーでは、「【幹細胞コスメ】市場規模・トレンド・ニュースランキング」と題し、市場トレンドや参入各社の取り組みについてまとめています。
総合マーケティングビジネスの富士経済が2023年1月に発表した「メディカルコスメ・ドクターズコスメの最新市場動向」によると、医療機関が直接販売する「メディカルコスメ」は、2021年が前年比27.7%増の143億円となり、2022年が18.9%増の170億円を見込んでいます。
市販ルートで販売されている化粧品のうち、医師や医療機関が監修・開発に携わっていることを訴求する「ドクターズコスメ」は、2021年が5.4%増の588億円となり、2022年が4.9%増の617億円となる見通しです。
幹細胞コスメは、スキンケア製品の中でも特に注目されている分野です。幹細胞を利用したコスメは、肌の再生や修復を促進することを目的としています。
幹細胞には高い再生能力があります。これにより、皮膚細胞の新陳代謝を促進し、肌の再生を助けます。特に、ダメージを受けた肌や加齢による肌の衰えに対して効果が期待できます。
幹細胞コスメは、しわやたるみの軽減に効果的です。幹細胞の成分がコラーゲンやエラスチンの生成を促進し、肌の弾力性やハリを回復させることで、若々しい肌を保ちます。
幹細胞エキスには保湿成分が豊富に含まれていることが多く、乾燥肌を改善し、肌の潤いを保つ効果があります。長時間の保湿効果により、肌のバリア機能を強化します。
幹細胞は組織の修復を助けるため、ニキビ跡や傷跡の改善にも期待できます。傷んだ組織の再生を促進することで、滑らかな肌に導きます。
まとめ
これらの効果により、幹細胞コスメは幅広いスキンケアニーズに応えることができます。ただし、製品の効果は個人差があるため、自分の肌に合った製品を選ぶことが重要です。
ヒト由来幹細胞コスメと植物由来幹細胞コスメには、それぞれ異なる特徴と効果があり、どちらもスキンケアにおいて重要な役割を果たしています。
再生能力:ヒト由来の幹細胞エキスは、皮膚細胞の再生能力が非常に高いです。これにより、肌の修復や若返りが期待できます。
エイジングケア:コラーゲンやエラスチンの生成を促進し、しわやたるみの改善に効果的です。肌の弾力性やハリを回復させることができます。
高い親和性:ヒト由来のため、肌との親和性が高く、効果を実感しやすいです。
臨床研究:多くの臨床研究によってその効果と安全性が裏付けられています。
メリット:高い再生能力とエイジングケア効果。肌との親和性が高く、効果を実感しやすい。
デメリット:高価な製品が多い。一部の人には倫理的な懸念がある。
抗酸化作用:植物由来の幹細胞エキスは強力な抗酸化作用を持ち、肌の老化を防ぎます。環境ストレスから肌を守る効果があります。
保湿効果:保湿成分が豊富で、乾燥肌の改善に効果的です。長時間の潤いを保ちます。
多様な成分:各種植物由来の幹細胞がそれぞれ異なる効果を持ち、多様なスキンケアニーズに対応できます。
自然派志向:自然由来の成分を好む消費者に人気があります。環境に優しい製品が多いです。
メリット:強力な抗酸化作用と保湿効果。多様なスキンケアニーズに対応。自然派志向の消費者に適している。
デメリット:ヒト由来幹細胞と比べると、再生能力が劣ることがある。効果の実感に時間がかかる場合がある。
まとめ
ヒト由来幹細胞コスメは、再生能力とエイジングケア効果が高く、即効性が期待できる一方で、倫理的な問題や高コストが課題となります。
植物由来幹細胞コスメは、抗酸化作用や保湿効果が高く、自然派志向の人々に人気がありますが、効果の実感には時間がかかることがあります。
どちらのタイプもそれぞれの利点と欠点があり、個々のスキンケアニーズや価値観に応じて選ぶことが重要です。
美容医療と化粧品の垣根が低まり、美容医療で用いられる成分に生活者の注目が集まっている。その代表的な成分の1つが、ヒト幹細胞培養液だ。日本に上陸して10年以上が経過した。幹細胞培養液は美容注射・点滴などで話題を集め、肌の老化悩みに対して高い効果実感が得られるとの評判から、配合化粧品(幹細胞コスメ)の需要創出を促した。化粧品では、クリニックやサロンなどクローズドマーケットやEC・D2Cなど成分について詳しく説明できるチャネルでの展開が多かったが、近年はリアル店舗でも配合化粧品が展開されるようになった。また、以前は安全性や品質に懸念を示す声も聞こえたが、取り扱う原料各社によるエビデンスの取得・蓄積が進んだことにより市場の信頼性が向上し、参入するブランドが増えてきている。今回も幹細胞培養液を扱う原料・OEM各社の最新動向から、今後の市場を占う。 ■特集/幹細胞コスメ(OEM・原料)~由来・濃度訴求の市場から脱皮へ ◎セントラル・コーポレーション~豊富なエクソソーム含有量を誇る国産の「臍帯血由来」エクソソームで差別化を ◎ホルス~エクソソームの需要の高まりに対応、ヘアケアは多角的アプローチを重視 ◎アンチエイジング~老化抑制が期待できる原料を提案、医療機関向けの原料供給も開始 ◎NISSHA~幹細胞培養液もニードルで角層まで浸透、専門原料会社と連携しOEMの提案強化 ◎ポイントピュ―ル~骨髄由来のヒト幹細胞培養液が好調、独占的な取り扱いにより差別化図る ◎コスメシューティカル~エクソソームに機能性成分をプラスした美容液シリーズを発売
総合マーケティングビジネスの富士経済が2023年1月に発表した「メディカルコスメ・ドクターズコスメの最新市場動向」によると、医療機関が直接販売する「メディカルコスメ」は、21年が前年比27.7%増の143億円となり、22年が18.9%増の170億円を見込む。市販ルートで販売されている化粧品のうち、医師や医療機関が監修・開発に携わっていることを訴求する「ドクターズコスメ」は、21年が5.4%増の588億円となり、22年が4.9%増の617億円となる見通しだ。
高機能化が進む化粧品業界でヒト由来幹細胞培養液市場が広がりをみせている。ヒト由来幹細胞培養液は、ヒトの幹細胞を培養した液体を化粧品原料化したもので、培養した際に分泌される様々な成長因子を含んでいることが確認されている。再生医療分野の幹細胞研究から派生した美容成分として化粧品業界でも注目を集め、由来となる幹細胞も脂肪から骨髄、歯髄、臍帯、臍帯血など種類の広がりや販売チャネル拡大とともに、配合化粧品が市場に増えて競争が激化している。
高機能化が進む化粧品業界でヒト由来幹細胞培養液市場が活況を迎えている。再生医療分野の幹細胞研究から派生した美容成分として化粧品業界でも注目を集め、近年は由来となる幹細胞も脂肪から骨髄、歯髄、臍帯、臍帯血など種類の広がりとともに、配合化粧品が市場に増えはじめた。
少子高齢化が進む国内では、エイジングケア市場が活況を呈しており、中でも幹細胞を培養した際に得られる上澄みを使用したヒト由来幹細胞培養液配合化粧品が「次世代型のあエイジングケア化粧品」として注目され、市場競争も過熱化している。最近では、消費者に誤解を招くような広告・宣伝も目立ってきており、今年6月に日本化粧品工業連合会(以下、粧工連)が「化粧品等の適正広告ガイドライン2020年版」にて、化粧品での「細胞」の表現に関してより厳しくルール化を行った。
近年の「シワ改善クリーム」のヒットに、化粧品の本質的なニーズが「健康的で若々しい肌を保つ」ことだと再認識した企業も多いのではないか。そのニーズに応えるアンチエイジング化粧品市場は右肩上がりで伸長を続けており、スキンケア市場で約4割を占める。そのアンチエイジング市場では肌の細胞を活性化するという新しい概念を持った「幹細胞コスメ」にも注目が集まる。
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