カンタンに言うと
日本メナード化粧品は、長年研究を続けてきた生薬の1つ「霊芝」の胞子から抽出した油(霊芝胞子油)に神経幹細胞を増やす効果があることを発見した。さらに、霊芝胞子油に古くから知られている生薬であるサンザシとキキョウの抽出物を組み合わせると、神経幹細胞からの神経新生が促進されることがわかった。
これらの結果から、この3種の生薬抽出物により脳における神経新生を促進させることで、認知機能を高める効果につながると期待された。そこで、この3種の生薬抽出物を3カ月間飲用してみたところ、認知機能が高まることを確認した。
加齢による認知機能の低下は、脳の海馬に存在する神経幹細胞の増殖と新しい神経細胞の産生(神経新生)が滞ることが関係していると考えられている。同社ではこれまでに、加齢に伴い増加する炎症性タンパク質の1つである「フラクタルカイン」が神経幹細胞からの神経新生を妨げることを明らかにし、このフラクタルカインが認知機能の低下を引き起こしていることを見出している。
この研究結果から、認知機能の改善には、「①フラクタルカインの分泌を抑えること」「②神経幹細胞による神経新生を促進すること」が必要と考えた。
今回、これら①、②に対して有用な素材の探索を行ったところ、生薬の1つである「霊芝」の胞子から抽出した油(霊芝胞子油)に神経幹細胞を増殖させる効果を発見した。さらに、これまでも生薬として活用されてきた「サンザシ」の抽出物に神経幹細胞から新しい神経細胞の産生を促進する効果を、「キキョウ」の抽出物にフラクタルカインの分泌を抑制する効果を発見した。
以上の結果を踏まえ、これら3種の生薬抽出物を3カ月間飲用する検証を行ったところ、認知機能が高まることがわかった。この認知機能の改善効果は、フラクタルカインの分泌抑制と、神経幹細胞からの神経新生促進によるものと考えられた。
今後は、有効成分の特定を進めつつ、認知機能の改善を目指した新たな技術開発へとつなげていく。
この記事は訪販ジャーナル 2024年9月23日号 4ページ 掲載
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