伊勢半本店(本社=東京)のグループ会社で価格訴求型化粧品の企画・販売を展開しているエリザベス(同)が、利益率の改善などを目的にしたブランド再編で今期末までに完結の目途をつけるなど、負の要因を吐き出して来期からの経営改善に社内的な期待感が高まっている。
2008年3月に就任した谷川法雄社長によると、同社は2009年1月期決算売上高を対前年比112%とした以降から業績推移のうえで「かなり苦しい時期」に突入した。
直接的な原因は従来の看板シリーズだった「SOHO」のブランドスクラップで、売上高構成比で約45%を占めていたという稼ぎ頭の清算は「億単位の返品を伴って(全体業績の)足を引っ張る」という荒療治だったことから、2010年は春先から「(月次売上げで)2ケタのマイナスが続いていた」(谷川社長)。
1954年創業の同社にあって一定期間の主軸を担ってきた「SOHO」だが、〝薄利多売〟の前提を維持する生産背景が軋んだ近年は利益率のうえで全体のブレーキ役になっていた。着手から完結目途まで「3年間弱がかかった」とする「SOHO」のスクラップを経て、谷川社長は同社の利益構造が「飛躍的によくなった」ことを明らかにしている。
一方で、主軸ブランドの清算と既存シリーズのコンセプト刷新が並走した2010年は、下半期に向かう6月から業績が回復基調に転じたという。12月までに「足元は(前年対比が)120%になった」という今期の着地予想について、同社長は「予測しづらい1月の結果次第だが、2ケタ増は難しいとしても105%は堅持できる」という内容を語った。今期の後半戦で牽引役となった製品を探すと、つけまつ毛「エバードール」とアイメーク「プルーフィット」が全体を底上げした。
また、2012年1月期にかけた短期スパンの展望として「今上半期で『SOHO』(のマイナス要因)が全てきれいになると来期は随分と楽。同ブランドで失っていた利益を宣伝費に回せる見通しが立ったことから、3年先までの宣伝予算を現場に預けた」としたうえで、2月以降は攻めの経営方針に打って出る構えを見せている。
さらに、グループ間競争において切磋琢磨する関係性にある伊勢半(同)に対し、来期は利益率という指標のなかで攻勢を仕掛けるという。
来春の出足を左右しそうな新製品に目を向けると、シリーズ「ポアトル」から「つぶつぶ洗顔ソープ」を発売して“毛穴対策”を訴求していくほか、「プルーフィット」と「E・アイリッド」の両シリーズからも実績型商品を刷新してさらなる売上増大を狙っている。
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この記事は週刊粧業 掲載
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