日本通信販売協会の調査によると、2010年度(2010年4月~2011年3月)の通販市場全体の市場規模は前年度比8.4%増の4兆6700億円。売上高は過去最高を更新し、2000年度(2兆3900億円)から2倍近くに拡大している。
媒体別の動向については、ネット通販ではインターネット利用者の増加を背景に新規参入する企業やてこ入れする企業が増加。特に近年は、多くの企業がウェブ専門の部署を立ち上げてソーシャルメディアの活用を活発化させており、顧客の囲い込みが進んでいる。
モバイル通販は、端末の高速化や低価格化、スマートフォンの急速な普及とともに成長市場となっている。各社はカタログやチラシなどの紙媒体との連動性を高めているほか、スマートフォン向けに専用サイトの開設や動画配信を行うなどして集客力を高めている。
テレビ通販は、ここ数年は成長率が鈍化する傾向にあったが、2010年度は好調に推移した。ただし、主力の健康食品や化粧品の商材・素材に一巡感がみられるほか、総務省の意向もあってCMや通販番組などの広告放送の総量に制限が加えられることから、今後、同媒体の成長率は鈍化する見通しだ。
2011年の通販化粧品の動向として、「ウェブマーケティングの強化」「ブランドの 再構築」「積極的な海外進出」「外資系・国内制度系企業によるネット通販の強化」の4点があげられる。
トップシェアを握っているのは前年度に引き続きDHC。第2位にはオルビス、第3位には悠香が位置し、前年度と順位が入れ替わっている。上位の顔ぶれに大きな変化はないが、上位10社のうち前年度よりシェアポイントがアップしたのは、ガシー・レンカー、ドクターシーラボ、新日本製薬の3社のみである。
特にヘアケアについては、ピュールの「利尻ヘアカラートリートメント」が"ダメージのないヘアカラー"というコンセプトで大ヒットし、市場拡大に大きく貢献した。同商品のヒットを受けてDHCやドクターシーラボが競合アイテムを投入し攻勢を強めており、今後も市場は活性化する見通し。また、アンファーの「スカルプD」が好調を維持しているほか、ヤマサキも堅調に推移している。
※詳しい企業別・分野別・種類別の販売高、シェアはコチラ→https://www.syogyo.jp/info/2012/01/post_002871.php
※2011年化粧品業界基礎データはコチラ→http://special.syogyo.jp/products/detail.php?product_id=190
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