コーセー・小林一俊社長、2012年度(平成24年度)新入社員入社式訓示

カンタンに言うと

コーセー・小林一俊社長、2012年度(平成24年度)新入社員入社式訓示

 コーセー(小林一俊社長)は、4月2日、本社(東京・中央区日本橋)にて「2012年度 新入社員入社式」を開催した。式典には今年度の総合職採用33名(男性20名、女性13名)が出席し、社長の小林が下記の内容の訓示を行った。

社長訓示(要旨)

 入社おめでとう。皆さんの社会人としての門出に対して、まずはお祝いを申し上げたい。

 皆さんが社会に出るにあたって、化粧品という業界を選択されたことは大変良い選択だったと考える。 どんなに世の中が変化しようとも、生活に彩りや潤いを与え、世の中を明るくするというこの業界の担う役割は、今後もますます必要とされるであろう。

 このことは、昨年の東日本大震災という大変不幸な経験で再認識されたことでもあるが、かねてからの「物質的充足から心の満足へ」という消費変化の方向性は、ますます、化粧品という「感動や満足を提供する」産業にとって追い風になり、我々の責任とやりがいも高まっていくであろう。

 さて、震災復興の遅れや原発事故の収束といった問題に限らず、この国の財政、通商政策、エネルギー政策なども含め、中長期的な見通しがたたない状況だが、我々消費財メーカーにとっても、デフレの長期化や原油の高騰などにより厳しい経営環境が続いている。

 ただ、このような先行きの不透明さ、不確かさ、すなわち「高リスク社会」という状況は、「全ての物事はこれまでの延長上にあるわけでは無い」と考え、逆に「自分自身を変えるチャンスである」と前向きに捉えるべきである。

 震災も電力不安も、制約と考えるのではなく、これまでも抱えていた問題が顕在化したと前向きに捉え、我々の企業活動や事業構造を抜本的に見直すチャンスであり、まさに「ピンチをどうチャンスに変えていくか」と考えるべきだ。

 当社は現在、全社一丸となって改革に取り組んでいる。私が5年前に社長に就任して以来、「現場力、スピード、シンプル化」をモットーに掲げ、創業以来蓄積してきた我々のもつ本来の強みをより一層研ぎ澄ませつつ、変えるべき点は思い切って見直し、社員全員の「意識」と「行動」も含めて改革を進めてきた。

 これまでの3年間の改革で、変化する流通への対応や経営効率の向上といった、いわば「守りの改革」では成果が出つつある。これからは「攻めの改革」に転じ、競争の舞台は"世界"に移りつつあることを踏まえ「グローバル視点」に発想を変えながら、ますます加速する消費・購買行動の変化に対応し、これまでに無い新しい取り組みにもチャレンジしていく必要がある。

 皆さんは、このようにあらゆる意味での"転換期"に我々の仲間に加わることになるが、そんな皆さんには、次の二つのことを期待したい。

 まずは「チャレンジ精神」。若い皆さんだからこそ、我々や、業界のもつこれまでの習慣や常識にとらわれない斬新な発想を活かして欲しい。我々は業界ではチャレンジャーという立場でありつづけるべきであり、皆さんはそのチャレンジ精神を率先して体現する存在であってほしい。そのために会社もチャレンジする人にはチャンスを提供していく。

 もうひとつは「自分磨き」。当社に憧れて入社し、愛社精神をもって働くことは大切だが、"コーセー"という看板やブランドに頼りすぎないで欲しい。まずは自分自身を磨くことで、新たなコーセー像を自分が創っていくという気概を持って業務に取り組んでいただきたい。

 この2つを常に胸に抱きながら、今日からコーセーの一員として、我々と一緒に新たな未来を切り開いていこうではないか。

※今年度の美容スタッフ職採用は80名。入社式は、3月26日にコーセー研修センター(東京・北区王子)にて行った。

※【週刊粧業】2012年コーセー小林一俊社長新春インタビューコチラ

※【週刊粧業】2011年コーセー小林一俊社長新春インタビューコチラ

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