資生堂は2012年3月、新日鉄ソリューションズ(東京都中央区:謝敷宗敬社長)の協力のもと、国内販売子会社の、資生堂販売の社員が使用するコンピュータ端末として、仮想デスクトップ技術を利用したクラウド型の端末3500台を導入し、その運用管理をアウトソーシングした。
これは、社員が使用するコンピュータ端末の運用負荷の軽減、一元管理による端末のセキュリティー強化、モバイル化による社員の生産性向上などを狙いとするもの。
これまで同社では、社員に貸与されている端末内に、それぞれに社内の情報を個別に保有している場合が多く、その端末環境は利用者個人に依存していた。
今回の仮想デスクトップ技術導入により、新日鉄ソリューションズのデータセンターのサーバーにデスクトップ環境を一元的に保有することで、利用者はどの端末からでも自分のデスクトップ環境を再現し、利用することが可能になる。また、遠隔地勤務などを、これまで以上に効率よく行える環境を整えるとともに、情報漏洩リスクの軽減や端末の運用に関わるコストの低減を図る。
今後は、在宅勤務、家事や育児などの仕事の両立や、BCP(事業継続計画)対策、本社・研究所を含めた全コンピュータ端末を仮想デスクトップ環境に移行することなど、将来的な活用を視野に入れて検討していく。
<仮想デスクトップ技術導入によるメリット>
①社員の生産性向上
・これまで自席の端末からしかアクセスできなかったデスクトップ環境に、どこからでも、どの端末からでもアクセスが可能となり、遠隔地勤務や在宅勤務など多様な勤務形態に対応することが可能になる。
②運用負荷の軽減
・仮想デスクトップ環境の保守および端末の運用管理をクラウド形式のサービスとしてアウトソーシング契約することで、資生堂社内における端末の資産管理やリース手続きなどの運用負荷を削減できる。
・これまで社員毎に端末を貸与していたため、人事異動時には端末の移設作業が発生していたが、どの端末でも個人のデスクトップ環境にアクセスが可能となるため端末機器の移設が不要になる。
・これまで端末を使用する社員自身が、それぞれの端末毎に実施してきた使用ソフトのバージョンアップ作業やセキュリティー対策が一括して行えるようになる。
③セキュリティー向上
・夜間に全デスクトップ環境に対して一括でセキュリティーや使用ソフトのバージョンアップが実施可能となり、端末環境を常に最新のバージョンに維持できる。
・端末にハードディスクを保有しないため、情報漏洩リスクを軽減できる。
④コスト削減
・各端末の資産管理やリース管理、セキュリティー対応作業やその他の問合せなどに関わる負担が軽減され、人件費等、社内の間接費用削減が可能になる。
⑤拡張性
・仮想デスクトップの導入により、モバイル端末、スマートフォン、タブレット端末など、最新の端末を利用できるようになるなど、ITの進化に柔軟な対応が可能になる。
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この記事は週刊粧業 掲載
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