花王、微細な炭酸泡の洗顔料に高い皮脂洗浄性があることを発見

粧業日報 2021年12月8日号 5ページ

花王、微細な炭酸泡の洗顔料に高い皮脂洗浄性があることを発見
 花王は、炭酸ガスで泡状の洗顔料を作ると、泡を微細化させやすく、汚れを落としやすくなるのではと考え、技術開発に取り組み、このほど、微細な炭酸泡の洗顔料に高い皮脂洗浄性があることを発見した。

 一般的なエアゾール製剤(泡状製剤)には、LPガスが噴射剤として用いられるが、同社は炭酸に注目し、炭酸ガスによる泡状の化粧品の研究開発を進めてきた。しかし、炭酸ガスで作った泡はつぶれやすく持続性にかけるという課題があった。

 そこで、炭酸ガスを保持しつつ心地よく洗える適度な硬さの泡を作る検討を重ねた結果、アニオンポリマーとカチオンポリマーの複合成分(PIC)を用いることで、弾力性が高く、微細な炭酸泡ができることを見出した。

 さらに、洗浄成分を含んだ原液をLPガスまたは炭酸ガスで噴射して泡状にした場合を比較すると、炭酸ガスで噴射した泡状の製剤で皮脂洗浄性がより高いことを確認した。

 炭酸泡の洗浄料は、油になじみやすい性質があるため、皮脂に素早く溶け込んで皮脂内部で気泡化し、皮脂を浮きやすい状態に変化させ、洗浄性をサポートする性質があることがわかった。また、水分や保湿成分を含みやすく、洗浄してすすいだ後にも残留しやすい性質があるPICを含んだ微細な炭酸泡で洗浄した前後の肌を比較したところ、洗浄後の水分量は洗う前よりも多くなっていることもわかった。

 さらに、20~50代の15名を対象に、PICを含んだ微細な炭酸泡の洗顔料を4週間使用する試験を行った結果、4週間使い続けることで肌の水分量、なめらかさ、明るさが有意に改善することを確認した。

 これらの結果から、炭酸ガスを洗顔料に応用すると、洗浄成分の量を増やし、洗浄力の強い成分を使うことなく高い皮脂洗浄性を得られることが示唆された。
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