生活者ニーズの多様化や冒険をしなくなった生産者のモノづくり姿勢を背景に、かつてのように突出したヒット商品が出現しなくなって久しい。
社内的な実績踏襲型といった商品のほか、他社が生んだヒット商品のエッセンスを部分的に模倣した製品など、作り手の情熱が伝わりづらい売り物では消費者の心に揺さぶりをかけることはできない。
ただ、マスの情報戦にあがってこなくとも、有力メーカー各社の社内報などをそっと賑わすヒット商品があることは想像に難くない。
そうした本年前半戦を賑わした製品の奮闘記を社内的に仕舞い込むことは、上質な情報の共有という意味から業界にとって前向きな選択とは言えない。
そこで週刊粧業は、有力メーカー各社から2012年1~6月における「MVP商品」を挙げてもらい、その売上貢献度を支えた要因や仕掛けの妙を取材・検証してみた。
ここでいう「MVP商品」に定義は設けず、数量・金額ベースで見た場合の売上貢献度をはじめ、新商品のケースでは販売計画に照らした際の上ブレの加減や、勢いを失ったかつての売れ筋が再び脚光を浴び始めている様子など、採択の基準は各社の選択肢に委ねた。
広く生活全般を見渡した時、2012年上半期のメディアを激しく賑わしたニュースの1つに迷走した増税議論をあげることができる。
施行は数年を隔てた先のことであっても、消費者が「必要なモノしか買わない」といった生活防衛意識で心のガードを強めた傾向があるとしたら、本紙面を飾った各MVP商品は逆風をハネ返した実力派ということになる。
【上半期MVP商品・記事掲載企業】
◎マンダム~女性用ボディシートが出足好調、「ギャツビー」の技術活かし開発
◎ナリス化粧品~「ゾーン美白」の新提案でトゥルーリアが2ケタ成長
◎ロート製薬~世界初の技術使った美容液、1~6月は計画比180%
◎ちふれ化粧品~「口紅」がCM放映で好反応、若年層への広がりも
◎ヤーマン~新美顔器が計画比240%、“深層表情筋”の新たな提案奏功
◎伊勢半~まずは印象でアイキャッチ、後段は使い心地でファン化
◎小林製薬~発売10年の「生葉」ブランド、2ケタ増で今期も好発進
◎エステー~生活者の意識変化背景にトイレ用が裾野を拡大
◎黒龍堂~メークの上から使用できるUVフェイスパウダーが好評
◎御木本製薬~売上げが厳しい夏場に新製品導入、訪販で好調な滑り出しみせる
◎地の塩社~自然派うたう大容量肌水、2月出荷数が2万5000に
◎JIMOS~挑戦領域のヘアケアで早くも核弾頭の育成に
◎エイボン・プロダクツ~実績型と新規性の2製品が今上半期の牽引役に浮上
◎セブンツーセブン~ノンシリコンの頭皮ケア商材が契約サロンの若返りに一役
【PDFダウンロード】「メーカー14社の2012年上半期MVP商品」はこちら
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この記事は週刊粧業 掲載
■訪販化粧品~熱波吹き荒れた夏商戦を総括~今夏も記録更新の猛暑、売上げへ影響度合い様々 ■全粧協関東ブロック、CRCフォーラムセミナー開催 ■花王、ヘルスケア・コミッティーを子会社化~健康ソリューションサービスの開発・提供を推進 ■アライドハーツHDとキリン堂、経営統合に向け協議開始 ■プラネット、激甚災害に備えた障害訓練で安全性を担保 ■メロディアン、無菌・無添加のスキンケアで化粧品市場...
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