ホソカワミクロン(本社=大阪、東大証1部)、化粧品を柱へ育成目論む

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ホソカワミクロン(本社=大阪、東大証1部)、化粧品を柱へ育成目論む

 粉体関連機器などの製造・販売事業を展開しているホソカワミクロン(本社=大阪府枚方市、東大証1部)が、第14次中期3カ年計画の初年度にあたる2013年9月期から現状でサブ事業にとどまる化粧品ビジネスの本格的拡大に乗り出している。

 本中計で「ナノマテリアルビジネスの拡大」と銘打った成長戦略は、内訳を「化粧品OEM事業の拡大」と「育毛剤の販売強化」と位置づけている。化粧品拡大計画の数値目標に関し、総務本部広報室 荒川隆室長は具体性を薄めたうえで「(企業会計基準の)セグメント情報として開示義務が発生するところ(総売上高の10%以上)まで持っていきたい」と説明している。

 同社の2012年9月期連結業績における予想売上高は390億円となっているほか、本中計が完結する2014年は同420億円を盛り込んでいることから、化粧品事業は今期からの3カ年をかけ総売上高の10%に手をかける40億円以上をめざしていると見ることができる。

 1949年の創業で微粉砕機(スーパーミクロンミル)や分級機(ミクロンセパレータ)の製造・販売を軌道に乗せた同社は、乾燥機(ミクロンドライヤ)や混合機(ナウタミキサ)へ事業領域を伸ばしたのち、国内外を股にかけた買収と吸収合併を重ねて業容を拡大していた。こうして大証2部(1989年)と東証2部(1991年)に株式を上場したのち、1992年に東大証1部銘柄指定を受けている。

 従来「皆さんから世界ナンバーワンといわれている」(荒川室長)という粉体技術と製造・開発ノウハウを成長の源泉にしてきた同社だが、やがて転機に直面することになる。同室長によると、「機械というのは所詮、形があるから研究・開発を重ねてもコピーされてしまう。コピー製品といえども、優秀なものだって出てくる」という宿命と向き合うなか、「新しい製品に取り組んでも、われわれの付加価値をつけづらくなるという歴史」が成長を阻む時代に突入した。

 そこで同社は、2000年に「単に粉体製造機(の製造・販売)だけをやるのではなく、われわれ自身がマテリアル=製品としての『粉』を作って売っていく」(荒川室長)という新たな項目を設け、対外へ発信する「コーポレートビジョン」に「新素材の開発」を盛り込んでかつて無かった事業セグメントへ漕ぎ出した。

 ただ、ここでは顧客企業の領域を侵してはならないという“戒め”を課し、販売先が作っている製品と同義の「マテリアルには一切の手を出さない。当社は、世の中に無い新しい粉を作る」ことをルール化。大切な顧客先との間で、パイの食い合いを起こす可能性を封殺した。

 1980年代からナノ粒子の用途開発に力を入れてきた同社には化粧品事業に打って出る下地があり、先の「新素材の開発」を新機軸に掲げたこと契機に、2004年から美白用美容液「ナノクリスフェア プライム」シリーズの通信販売事業を開始した。同年から化粧品製造業と製造販売業の両許可を取得し、製販の一貫体制を構築していた。

 化粧品小売業の間口を一気呵成に拡大したい翌2005年には、アトピー用美容液「同Sensitiveシリーズ」をラインナップに加えたほか、美白・アンチエイジング美容液とうたった「同Grand Cruシリーズ」を発売。皮膚への浸透性を高めた機能性パウダー「PLGAナノスフェア」や、医療の範疇だったDDS(ドラッグデリバリーシステム)を活かした化粧品の製造・販売を本格化した。

 また、2006年には男性用頭皮料「ナノインパクト」を発売したことをきっかけに、化粧品事業の訴求範囲に「ヘアケア」と「男性需要」や「悩み解決」を盛り込んで多角化を整えたほか、以降はこれらのメニューで外部からの製造受託事業へ矛先を広げている。(以下、化粧品通販事業の今後の取り組みへと続く)

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