ナリス化粧品(本社=大阪市)はこのほど、ホオズキの一種「シマホオズキ果実」から、皮膚の表皮と真皮の境界に位置する「乳頭突起」の加齢による平坦化を改善する効果があることを発見した。8月24日に特許出願を行った。年度内の商品化に向け、取り組んでいる。また今春、京都で行われた日本農芸化学会でその研究成果を発表している。
シマホオズキは、ビタミンA・Bを豊富に含み、独特の甘酸っぱさが特徴の南米原産の多年草植物で、ベネズエラからチリにかけて栽培されている。古代インカ帝国時代からすでに栽培されていた記録が残されており、インカベリー、インカのスーパーフルーツなどとも呼ばれている。日本では近年、食用として栽培・輸入されるようになり、美容食品として注目を集めはじめている。
同社が着目した「乳頭突起」とは、表皮と真皮の境界部に凹凸形状で存在し、真皮に運ばれてくる栄養分を表皮に運ぶ、いわば栄養補給ラインの役割を持つ。これまでの研究では、乳頭突起の凹凸は加齢とともに平坦化することで、栄養分の運搬が滞り、シワやたるみといった皮膚の老化を進行させることがわかっている。
同社は、加齢にともなう凹凸の平坦化に着目し、5年前より研究を開始。シマホオズキ果実エキスに乳頭突起の平坦化を改善する作用を確認した。シマホオズキ果実エキス配合クリームを目もとに使用した評価試験では、1カ月間の使用によりシワを改善する効果が認められた。
また、乳頭突起を持ち上げるように存在するタンパク質「フィブリリン1」に関する研究を進め、シマホオズキ果実に含まれる「5-ヒドロキシメチル-2-フルアルデヒド」がフェブリン1を通常の2.5倍産生させることを発見した。フィブリン1は、紫外線による光老化で減少することがわかっており、増やすことで老化の進行を遅らせることができると考えられている。
同社はこれまでも、外部の研究機関や大学との共同開発により、培養によって得られる「人形茸」や専用農園で作る「バラ」からの抽出物を使った化粧品を手がけている。これまで開発したオリジナル成分は70品以上にのぼるという。
美容成分のトレンドについて、同社は「肌へのアプローチ法の質が問われる時代を迎えた。ただやみくもに老化という自然現象を否定するのではなく、その進行をゆるやかに遅らせ、心身にやさしいエイジングケアを取り入れたいという女性が増えている」との見解で、進展する少子高齢化社会を見据え、今後もアンチエイジングに関する研究を推進していく方針だ。
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