C&T 2012年9月17日号 24ページ
フレグランス市場はメゾン系、ファッション系、ライト系、トイレタリー系と、商品の幅が広がった。メゾン系は本格的なファイン・フレグランス層のニーズに応え、ライト系は香り初心者やコロン派、身だしなみとしてトイレタリー感覚で香りを楽しむ層を取り込んできた。ファッション系も明確なコンセプトや個性的な装いを持った新製品がヒットした。しかしフレグランスの大衆化が進む反面、単価の下落で市場は伸び悩んでいる。低単価のトイレタリー系への先行投資は限界がある。各社はどのように市場を育成していくのだろうか。今現在の状況を追った。
“香り付”から“香り”へ
そのプロセスは容易ではない
柔軟剤や洗剤などの日用品業界では香りが花盛りだ。ある防虫剤メーカーでは、「3年前、香りタイプの売上シェアは20%弱だったが、今は35%に達した」という。「香り路線は価格競争の果てにたどりついた会社の起死回生策」(OEM)とも言われている。
「トイレタリー製品でトレンドとなっている強いフルーティノートにユーザーが慣れてしまうと、その嗜好性が高まる。これはフレグランス業界にとってはメリットにもデメリットにもなる」(コンサルタント)という。嗜好性の幅が狭くなる可能性があるからだ。また、「日本人は柔軟剤や洗剤と違い、肌に直接つけるものの香りを強くはしたがらないので、簡単にはかない」(香料メーカー)との指摘もある。
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