2012年ヘアカラー市場、市場規模は微減も白髪用は成長路線

カンタンに言うと

2012年ヘアカラー市場、市場規模は微減も白髪用は成長路線

 2011年ヘアカラー市場(週刊粧業調べ)は、白髪用が前年比約2%減、黒髪用が約8%減となり、前年に比べて縮小した。しかし白髪用・黒髪用ともにここ数年泡タイプが、平均単価の上昇や、ホームカラーリングの経験率の向上に寄与している。

 白髪用は、団塊ジュニア世代(32~39歳)が白髪染めを使用する年代に入っており、中期的には使用率が上昇し、緩やかな市場拡大が見込まれている。

 一方、黒髪用は、少子化の影響とともに、使用者が減少している。また、震災後は明るい色へ髪色を染めることを敬遠する傾向も見られ、2011年も白髪用に比べ、下げ幅が大きくなった。2012年も9月末までで2ケタ減で推移している。

 白髪用のメーカー別シェア(週刊粧業調べ、詳細な数値は下記PDFを参照)は、ホーユー、花王、ダリヤ、ウエラ、黒髪用は、花王、ホーユー、ダリヤ、マンダムと続いている。

 タイプ(剤型)別構成比(詳細な数値は下記PDFを参照)では、クリームが微減で推移したが、依然、約半数を占めており、泡・ムースが2ケタ増で伸長、逆にジェル・乳液が2ケタ減となった。一時染め・ヘアマニキュアがそれに続き、構成比は低いながらも、ヘアカラートリートメントの需要が拡大している。2012年は通販市場での盛り上がりから一般市場へ波及し、前年比30%以上伸長した。ヘアカラーとの併用率も約17%まで拡大しているという。

 男女別構成比に変動はなく、女性が市場の約9割を占め、男性は1割程度にとどまっている。

 ヘアカラー市場は2002年をピークに減少傾向にあったが、花王を筆頭に泡の新剤型による簡便性を訴求した製品開発や、ユーザーのニーズ、不満に応える既存品の改良により、ホームカラーリングが広く浸透し、08年から徐々に回復傾向にあった。

 しかし、泡タイプが白髪用・黒髪用ともに市場に定着したことで、店頭では価格競争が生じ、2012年(1~9月末)はこれまで、2ケタ減と苦戦している。泡で染められる簡便性ニーズから、徐々に「色の染まり」「髪へのやさしさ」といったヘアカラーの本質的なニーズが強まり、従来愛用していた剤型へ戻るユーザーも少なくないようだ。

 またユーザーは、白髪用、黒髪用、一時染め、マニキュアといった用途、剤型による区分だけで商品を選ぶのではなく、白髪用では「白髪がよく染まる」「髪色」「簡便性」なりたい自分に近づきたい意識を高め、黒髪用では「髪色の変化」「仕上がりのよさ」「簡便性」といった細かいニーズに対応しているかどうかも重視し、商品を選ぶ傾向にある。

 そのため、ヘアカラー各社は、それぞれのターゲットニーズに応える改良や色のバリエーション展開と、各シリーズの特徴理解に向けた取り組みを重視する傾向にある。

【ヘアカラー】
泡剤型は簡便性にプラスαの特徴で差別化
【メーカー別動向】
◎花王~「泡カラー」は泡質改善で満足度アップ、3剤クリームの特徴理解を推進
◎ホーユー~「ビゲン」に白髪が浮きにくい明るい色を追加
◎ダリヤ~主力の白髪用「サロン ド プロ」から泡タイプの付加価値品を提案
◎日本ロレアル~キャッシュバックキャンペーンが奏功し「エクセランス」は引き続き2ケタ成長
◎マンダム~「ギャツビー」はクリームと泡の両軸で展開、トレンドカラーの新色を随時投入
◎シュワルツコフ ヘンケル~「染まり性」を向上させたクリームタイプの白髪染めに注力

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