佐賀県唐津市と玄海町は、フランスにある世界最大規模の化粧品産業クラスターをならった「唐津コスメティック構想」に取り組んでいる。
同計画を推進するため、化粧品関連会社、大学、行政などで構成する産学官連携組織「ジャパンコスメティックセンター(通称JCC)」が昨年11月に発足し、フランスとの経済連携が進んでいる。
現在、会員企業数は64社にのぼる。今回JCCは、唐津市とフランス・コスメティックバレー(以下、CV)が協力連携協定を昨年4月に締結してから1年が経過したことを受け、改めて意見交換を行うため5月7~9日に開催された「チャイナ・ビューティー・エキスポ2014」を視察した。
中国最大の見本市「チャイナ・ビューティー・エキスポ2014」には、世界各国から数多くの出展社があり、CVの会員企業からは20社以上が出展した。
これに合わせ、JCCはCV協会の会長である、マーク・アントワーヌ・ジャメ会長やジョン・リュック・アンセル氏をはじめ、事務局上層部と面談し、今後の経済的・文化的な連携について改めて意志確認を行った。そこでは、日本とフランスの経済交流の懸け橋となり、両国がともに発展するように協力していくため、今後の連携をさらに強いものとすることが確認された。
視察に同行した5社のJCC会員企業は、CV側の出展企業と商談も行った。昨年から両者は会員企業同士のビジネスマッチングをサポートしており、フランスの製品を日本で輸入販売することが決定したり、日本の原料素材をフランスへ輸出するためのサンプリング試験が始まるなど、実績を積み上げている。今回の商談でも成果があったといい、商談が円滑に進むよう、今後は薬事法による輸出入時の規制対応などを全面的にバックアップしていく方針だ。
次に、中国医学や漢方薬に対する知識を深めるため、「上海中医薬博物館」も訪問した。施設内では中国医学の治療法や漢方薬の歴史が詳細に展示され、天然由来原料の開発の参考にしようと皆熱心に見学したという。
実際に中国で自然派化粧品が小売店でどのように展開されているかを確認するため、オーガニック化粧品などを揃えている「eco & more」を訪問したほか、中国における高級志向の日系デパート「上海梅龍鎮伊勢丹」や「上海久光百貨」を訪れ、店舗スタッフの説明を受けるなどした。
直近の成果としては、JCCの取り組みが、4月に日本貿易振興機構(ジェトロ)の「地域間交流支援事業(RIT)」の事前調査案件に採択され、フランス側とのビジネスマッチングや現地調査のサポートが行われることとなった。
JCCでは、さらに商談を活発化するため、今年9月にパリで開催される「コスミーティング」や、香港の「コスモプロフアジア」などの展示会に出展を検討しているほか、来年2月にジェトロを通じてフランスでCV会員企業との商談会を行う予定だ。
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この記事は週刊粧業 掲載
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