業界団体「日本訪問販売協会」が昨年12月に発表した資料によると、2013年度の訪問販売売上高(正会員企業135社)は1兆7770億円で前年度比1.7%増のプラスに転じたことがわかった。1996年度以来、実に17年ぶりにプラス成長を果たしたことになる。
また、13年度の化粧品の売上高も、9年ぶりに前年を上回る結果となった。
社会環境が大きく変化する中で訪問販売は長く「冬の時代」が続いていたが、化粧品の有力企業は近年、訪問販売を軸としながらもショップ機能を織り交ぜるなどした多彩な戦略で好調な業績を打ち立てていた。
それを裏付ける結果ともいえ、今後も訪問販売は時代に合わせて新しい姿へと進化を遂げていく。
消費増税で業績は苦戦気味
夏以降は復調の動きも
こうした中、昨年は消費税の増税が有力企業の業績に影を落とした。昨年4月以降、駆け込み需要の反動が尾を引き、持ち直すまでにも予想以上の時間がかかったようだ。特に訪問販売で売り出す商品は高額なものが多いため、低~中価格帯が中心のセルフ市場と比較しても、増税の影響は大きかったと推測できる。
最大手のポーラは、2014年12月期の売上高が前期比1.2%減と僅かに前年を下回った。「増税前後の駆け込み需要と買い控えが業績に大きな影響を与えた」(同社)としている。
中堅メーカーの中ではヤクルト本社が、2015年3月期の化粧品売上高が目標の67億円に対して「少し届かなそう」(市川英次 化粧品部長)という状況にあるようだ。増税後の落ち込みが響いたとしているが、「昨年8~9月以降は持ち直している」(同)とするように、各社の復調に転じる動きも随所でみられる。
例えばシャンソン化粧品は、増税後の売上減は昨年7月で収束し、それ以降は前年を上回るペースを維持しているという。
また一方で、そうした逆風を跳ね返す新興の成長企業もある。
ネットワークビジネスのフォーデイズは、2015年3月期も増収を見込んでおり、達成すれば15期連続と記録を更新することになる。「核酸ドリンク」を中心とする主力の健康食品に加え、化粧品も昨年4月にリニューアルした「ムーサ イオシリーズ」が売上拡大に寄与したという。
セミナーを開催しないなど独自の手法で頭角を現すペレ・グレイスも、倍増を続けてきた過去2年の伸長率には届かないものの、2015年3月期の売上高は約10%増と力強い着地となった。
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この記事は週刊粧業 2015年4月9日号 1ページ 掲載
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