日本チェーンドラッグストア協会、薬業界連携のパイプ役に

週刊粧業 2019年1月1日号 19ページ

日本チェーンドラッグストア協会、薬業界連携のパイプ役に
 日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)が発足した1999年当時、チェーンドラッグストア産業の規模はおよそ2兆円でした。今や百貨店業界を超える6兆8500億円規模に発展を遂げ、1000億円企業が14社、上場企業も14社を数えます。

 JACDSは10兆円産業を目指しているわけですが、それを実現するには医療・薬業界の改革とチェーンドラッグストア業界のさらなる進化が不可欠だと考えています。

 薬業界にはJACDS、日本医薬品登録販売者協会のほかに、調剤専門の日本保険薬局協会、薬種商販売業の流れをくむ全日本医薬品登録販売者協会、日本薬剤師会の3団体があります。

 それぞれが職域団体の既得権益や利害に固執していては、これからの社会ニーズに応えていくことは困難であり、JACDSがパイプ役となって薬業界の連携を深めていく必要があります。

 「医薬協業」の推進も喫緊の課題です。過剰投薬により廃棄される薬は年間2兆円にも及びます。医業と薬業が協力しなければ、この無駄をなくすことはできません。

 超高齢社会では病気にならないための「未病対策」も重要です。管理栄養士も参画したネットワークを構築して国民の健康長寿をサポートしていくべきであり、その中核を担えるのはチェーンドラッグストア業界以外に考えられません。

 また、超高齢社会のニーズに応え、国民の健康を守っていくには、高い倫理観と誇り、薬剤知識、情報発信や対話能力を備えた人材育成が必須です。

 教育・研修を強化し、単なる物販業ではなく、「価値観の売り手」にレベルアップしなければ、求められる役割は果たせません。もちろん、薬剤師等の処遇もそれに見合う水準に高めていく必要があります。

 経営面ではローコストオペレーション化も急務です。受発注システム、物流システム、商品管理システム、情報発信システムなどの高度化を推進していかなければ、安定した収益基盤を維持できなくなるでしょう。

 当業界がお客様主体の発想を貫きながら進化を遂げ、国民の健康を守る主役になることができれば、10兆円産業はおろか、日本の小売業界をリードする存在になれると確信しています。
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