日本コルマー、化粧品の基盤技術研究を深化

週刊粧業 2020年10月19日号 14ページ

カンタンに言うと

  • 「透明クリーム」技術で新機軸
日本コルマー、化粧品の基盤技術研究を深化
 化粧品・医薬部外品OEM/ODM業界で国内最大手の日本コルマーは、国内5研究所(大阪3・島根1・神奈川1拠点)・研究員170名体制でスキンケアからメークアップ、ヘアケア、ボディケアなどあらゆる化粧品の研究開発を行っている。

 開催を控えるIFSCC2020横浜大会では、同社は5題の研究発表を行う。そのうち1題は、日本のOEM/ODM企業としては唯一、オーラル発表に選抜されている。

 5研究所の中で、横浜研究所は、同社唯一の関東拠点として、東日本エリアの顧客の処方開発や営業フォローを行いながら、「プロダクトイノベーション」を掲げて化粧品の基盤技術研究に取り組んでいる。

 研究開発本部・横浜研究所の德永俊輔マネジャーは、今回のIFSCCに触れ、「日本開催ということで、2015年の横浜研究所創設時から意識して研究に取り組んできた」と話す。

 横浜研究所が主体となって進めた研究発表は5題中3題、そのうち1題では、創設時から進めていたナノエマルションテクノロジーを用いた「クリームの透明化」技術を発表する。

 德永氏を中心とした研究チームは、時短や簡便性から需要が高まっているオールインワン化粧品に着目し、「次世代型のオールインワンスキンケア」をテーマに創設時から研究開発をスタートした。

 オールインワン化粧品はジェルタイプが市場の大半を占める。

 「当社もこれまでに様々なオールインワンジェルを開発してきた。開発を進める中で、ジェル特有のみずみずしい感触と、油分を配合するクリームのような高い保湿力を両立させることができないかを考えていた」(德永氏)

 一般的に水分と油分を乳化させると乳白色になる。德永氏の研究チームは、エマルション粒子を安定的にナノサイズまで小さくする技術を確立し、「透明な保湿クリーム」を実現した。

 見た目はジェルのように透明だが、油分を配合するクリームならではの高い保湿性を有する。また、クリームなのにベタつきがなく、ジェルのような滑らかなテクスチャーも「透明な保湿クリーム」の特徴の1つだという。
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