化粧品・トイレタリー容器メーカーのツバキスタイルは、地球環境に負荷を与えない「環境対策容器」の提案とSDGs(持続可能な開発目標)の推進に注力している。
特に、同社が約10年前から提案を開始しているという環境対策容器は品質や安全性に加え、価格や豊富なバリエーションからも引き合いを集めており、環境対策樹脂を使用した容器の販売量および環境対策樹脂の使用量は化粧品・トイレタリー業界でトップを誇る。
環境対策容器の提案を通じて、同社は世界中の企業が共通目標に掲げる「サステナブルな社会」の実現に向けた取り組みを推進している。
業界に先駆けて環境対策容器を提案安全性に加え
従来ボトルと同価格で提供
多くの化粧品容器に使用されている石油由来のプラスチック素材は、海洋プラスチック問題や地球温暖化につながるCO2を排出するなど、近年はその使用を見直す動きが広がっている。
さらに、今般の新型コロナウイルス感染拡大や相次ぐ自然災害なども相まって、人々の意識は変わりつつある。
化粧品・トイレタリー容器メーカーのツバキスタイルでは「地球にやさしい素材を使うことで、少しでも環境への負荷を軽減したい」という想いから、まだ世間の環境意識も低かった頃から、再生PET樹脂やバイオマス樹脂などの活用を積極的に推進してきた。
特に近年、国内でも環境意識が高まる中、同社が提案する「環境対策容器」は安全性や品質の高さ、価格やバリエーションといった側面から注目を集め、売上を牽引している。
同社は化粧品・トイレタリー容器メーカーとして初めて、世界的な第三者安全認証機関であるSGS・UL両社による認証を取得。製造工場(椿化工)では、製品に含まれるリサイクル素材の含有量やバイオ濃度(植物由来原料の含有量)の証明に加え、悪質な非植物由来素材の故意による混入や事故を防止している。
同認証により、トレーサビリティや石油系原料との区分けなど、厳重な管理の下に製造されていることが証明されたボトルを提供でき、さらに認証マークをボトルに印字することも可能となっている。
環境対策容器は同社の800型以上のすべてのオリジナル金型で製造することができる。さらに、再生PET・バイオマスともに、従来の石油由来樹脂容器と同価格で提供することができる。
そのため、クライアントの理想をそのまま「環境にやさしいカタチ」に生まれ変わらせることができる。
再生PET・バイオマス樹脂容器を
従来容器と同等の高品質で提供
もっとも多くのプラスチックごみを生み出す飲料用ボトルに着目し、ツバキスタイルは新たな化粧品ボトルの製造に着手。化粧品・トイレタリー容器メーカーとして初めて、飲料用ボトル100%リサイクル樹脂を活用した「再生PET容器」を製品化している。
すでに製造された飲料用プラスチックボトルを100%リサイクルすることで生まれる再生PET樹脂は、大手飲料メーカーでも飲料用ボトルとして採用されるなど安全性が高く、国際的な専門機関であるFDA(米国食品医薬品局)やEFSA(欧州食品安全機関)での認証を受け、異物や不純物のない高品質な樹脂であることが証明されている。
この樹脂から作られる再生PET容器は、見た目や強度も従来の石油由来ボトルとまったく変わらない。さらに、容器の色を「透明色」にすれば飲料用PETボトルと同じようにリサイクルすることができるため、石油由来の材料を使う必要もなくなる。
このほか同社では、地球にやさしい循環型資源であるバイオマス樹脂を使用した「バイオマスPE・PETボトル」を提案している。砂糖を搾り出したあとのブラジル産サトウキビの残渣から精製される2種のバイオペレットを使用し、「バイオマスPE(バイオマス樹脂97%使用)」と「バイオマスPET(バイオマス樹脂26%使用)」、2つの新しいボトルを製品化した。
サトウキビを原料としているため100%バージン素材であることに加え、従来のボトルと同等の見た目の美しさや強度を実現している。
また、使い終わったボトルを焼却する際に排出されるCO2は、原料のサトウキビが成長過程で吸収したものであるため、環境負荷の低減にもつながっている。
専門機関の調査では、石油由来樹脂に比べてバイオマスPEは約70%、バイオマスPETも約63%のCO2を削減できることが明らかになっている。
さらに同社では、ダイレクトブロー成型が主流だったPEボトルにおいて、業界初となる二軸延伸ブローでの成型を実現している。これにより、気密性が高く、耐久性や耐薬品性にも優れたボトルを環境にやさしい形で生み出すことができる。
環境対策容器でSDGsを実践社内でも
積極的な環境対策を実施
環境にやさしい選択をすることは企業にとって「SDGsの実践」そのものであり、未来の世代へ美しい地球を残していくための最良の道と言える。
そこで、ツバキスタイルではSDGsの17目標のうち、「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」「つくる責任つかう責任」「気候変動に具体的な対策を」「海の豊かさを守ろう」「陸の豊かさも守ろう」、5目標を積極的に推進する。
環境対策容器の提案はもちろん、埼玉・九州の工場では内外すべてにLED照明の導入、工場・倉庫屋根に太陽光パネルの設置、遮熱塗料への塗り替えを実施するなど、省エネルギー化を推進している。
工場棟・事務所棟には直管型LEDランプ搭載ベースライトを968本導入し、約42%の省エネルギー化を達成している。
また、工場・倉庫屋根には1788枚の太陽光パネルを設置(設備容量277.14 kW)したほか、遮熱塗料「ガイナ」への塗り替えを行い、直射日光による建物内の気温上昇を抑制。CO2排出量削減などを実現している。