花王、マスク着用による肌状態の変化について意識調査を実施

粧業日報 2021年6月28日号 4ページ

カンタンに言うと

  • 夏の肌変化に対しては「マイルド洗顔」「保湿ケア」のWケアを推奨
花王、マスク着用による肌状態の変化について意識調査を実施
 花王のスキンケア研究所と生物科学研究所は、マスク着用時における肌状態の変化に対する意識を把握すべく、週に1回以上マスクを着用する20代~70代の女性990名(各年代180名ずつ、70代のみ90名)を対象に調査を実施した。

 その結果、マスクを着けていることで、肌状態の変化を感じていると回答した女性は、夏(2020年8月27日~31日)・冬(2021年2月24~28日)とも半数以上にのぼることがわかった。

 次に、肌の状態の変化を感じていると回答した人(夏:523名、冬:548名)に具体的にどのような変化を感じているか回答してもらった。



 その結果、「吹き出物」が夏・冬とも最も多く、夏は「ニキビ」「肌荒れ」「べたつき・あぶらっぽさ」「かゆみ」「乾燥」、冬は「乾燥」「ニキビ」「肌荒れ」「がさつき」「肌が敏感になった」が続いていた。

 そこで今回は、肌状態の変化に対する意識項目を、その特徴から、肌が敏感になることで起きる変化「敏感関連」と、皮脂が原因で起こる変化「皮脂関連」の2つに大別。夏と冬で感じられる肌状態を相対的に把握するために、敏感関連、皮脂関連と定義づけたそれぞれの項目をプロットした図を作成した。



 その上で、敏感関連は「肌荒れ」「乾燥」「かゆみ」「がさつき」「肌が敏感になった」「赤み」「湿疹」「かぶれ」「ひりつき」、皮脂関連は「吹き出物」「ニキビ」「べたつき・あぶらっぽさ」「毛穴の開き」「毛穴のつまり」「てかり」について、夏に変化を意識している人の割合を横軸、冬の割合を縦軸にグラフ化した。

 その結果、マスクを着用することで感じる「敏感関連」の肌状態の変化は、季節を問わず意識されていることがわかった。「皮脂関連」は全て夏に意識されていることもわかった。



 一方、2020年夏に花王がマスク内環境の変化を調べたところ、温度・湿度ともにマスクの外と比較して高くなっており、温度は約5℃高く、湿度は約23%高い80%を超える状態だった。

 このようなマスク着用時の環境下では、肌表面に余分な皮脂が増えることが知られ、角層のバリア機能の働きが低下するため、刺激を受けやすくなることもわかっている。

 今回の意識調査から見えてきた、夏に意識される「敏感関連」「皮脂関連」という肌状態の変化は、マスク着用による温湿度環境変化などで生じる、角層バリア機能の働きの低下や余分な皮脂の増加により感じているのではないかと推察される。

 この意識調査から「敏感関連」は季節を問わず感じると回答した人が多く、「皮脂関連」は全ての項目で夏に多く見られること、夏には「皮脂関連・敏感関連」の両方の肌の変化を意識している人が多いと推察されることから、夏に最適なスキンケア法についても考察した。

 その結果、毛穴汚れが気になったり、肌荒れしやすく、乾燥などで敏感になりがちな夏の肌は、過剰な皮脂をしっかり取り除き、バリア機能の働きを守って肌を健やかに保つスキンケア対策が有効であるとの結論を導き出した。

 具体的には、過剰な皮脂は洗浄してきちんと除去しつつ、洗顔料をよく泡立て、ゴシゴシとこすらずにやさしくすみずみまで丁寧に洗い流す「マイルド洗顔」と、角層のバリア機能の働きを担い、角層における細胞同士の隙間を満たすセラミドの働きを助ける「保湿ケア」を合わせて行うことを推奨している。
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