進栄化学、無触媒エステルがコロナ禍も引き合い増加

週刊粧業 2021年12月6日号 13ページ

進栄化学、無触媒エステルがコロナ禍も引き合い増加
 化粧品・医薬部外品原料会社の進栄化学は、自社開発原料の理解促進に向けて、アニメーションを使用した新たな動画コンテンツを制作し、自社HPやYouTube配信を開始している。

 動画は、他社原料との組み合わせなども盛り込み、処方開発を下支えするコンテンツとして充実させていく計画だ。

 西山万里社長は、コロナ禍に入って、自社開発品「無触媒エステル油」シリーズ(6種)の引き合いが強まっていることに触れ、「肌にやさしい化粧品原料へのニーズが高まった印象がある」と語っている。

 「無触媒エステル油」シリーズは、触媒を使用しない特許製法によりエステル化しており、皮膚への有害な不純物(金属など)がなく刺激性が極めて少ない性質を持つ。その成分特性に加え、安全性・安定性に優れ、使用実績50年以上にわたってクレーム案件がなく、同社の企業信用度を高めてきたロングセラー原料だ。

 シリーズの一つ、大豆由来「ISOD」(イソステアリン酸オクチルドデシル)は、ベビーオイルや皮膚科医院が提供するクリームなどに長年採用されている。

 ISODは、炭素数38と大きいが、凝固点が低く、低温(マイナス10℃)でも液体を保つ。適度な分子構造上、水蒸気透過性や皮膚の代謝作用を阻害せず、断熱や放熱などの機能的制御を妨げない特性を持つ。二重結合がないため、乳化物中で加水分解されず、また空気中でも酸化されにくい性質を持つ。

 新たな時代のニーズ対応に向けては、「サステナブル」をテーマに、独自開発をさらに推し進めるとともに、商社機能も活かして取り扱い原料のバリエーションを広げている。

 今春より水の代替原料として紹介を開始した「サンダルウッド/ハチミツ発酵液」は、オーストラリア産サンダルウッド浸出液と日本産ハチミツを発酵させた液体。国産ハチミツはアカシアやフジ、サクラなど数種類から選べ、オーダーメイド原料として提供できる体制を整えている。
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