物産フードサイエンス、泡質改善も期待できる糖アルコールが需要増

週刊粧業 2022年6月6日号 8ページ

カンタンに言うと

  • 石油由来原料の代替として
物産フードサイエンス、泡質改善も期待できる糖アルコールが需要増
 食品、医薬品、化粧品、工業品と幅広い分野に「糖アルコール」を供給する物産フードサイエンスでは、SDGsの取り組みを強化している。

 同社における重要課題としては、大きく3つ「安全・安心・技術革新」「地球環境に配慮したモノづくりへの挑戦」「健全経営の更なる強化」を挙げている。

 化粧品分野における取り組みの1つとしては、石油由来の化学製品の代替としての糖アルコールの用途開発を掲げている。SDGsの17の目標のうち、「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」にあてはまる。

 昨今の国際情勢も影響し、石油由来原料の供給不足や高騰が起こっている中で、同社が提案する糖アルコールについても、石油由来のポリオールなどの代替原料としての引き合いが増えてきているという。

 「当社の原料は起源原料が植物由来ということもあり、アクアオールをはじめ幅広くご使用いただくことで、地球環境に配慮したモノづくりに貢献できる。直近では、糖アルコールの長所や石油由来原料の代替としての強みを化粧品分野のお客様に理解してもらうための提案・PRに注力している」(同社)

 また、ペーパーレス化をはじめ、社内的にも環境配慮の取り組みを積極的に行っているという。

 昨年1月に上市した化粧品向け新製品「アクアオール」は、「#1(ナンバーワン)」「#2(ナンバーツー)」の2つのグレードを保有しており、化粧品表示では「加水分解水添デンプン、水」となる糖アルコールで、多価アルコールの一種とも定義できる原料である。

 アクアオール#2には泡質向上・泡の安定性向上効果があり、良質な泡を長持ちさせることができる。グリセリン処方と比較しても優れた泡質改善効果を示している。

 グレードの使い分けにより、毛髪のテクスチャーを調整することも可能だ。アクアオール#1はまとまりやすくしなやかな感触、#2はハリ・コシ感を付与する。#2はエイジングケア商品における引き合いが多い。

 「上市して1年が経ったが、当初の想定よりも非常に多くの反響をいただいており、その中でも、泡質改善効果とヘアケアにおける感触調整という2つの提案が柱になってきている」(同社)
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