花王、きれいな髪に触れることでの生理的・心理的影響を確認

粧業日報 2022年9月27日号 1ページ

カンタンに言うと

  •  髪のキメを感じた時にオキシトシン量、自己肯定感が上昇
花王、きれいな髪に触れることでの生理的・心理的影響を確認
 花王は、きれいな髪に触れることで、生理的(オキシトシン)・心理的(感情・自己意識)にどのような影響があるかを検討し、髪のキメを感じるほど、オキシトシン量が上昇し、自己肯定感が高まることを突き止めた。

 同社はこれまでに、髪のキメを実感するとポジティブな感情が高まり、自己意識や美容行動にも影響を与える可能性があることを報告しているが、髪に触れる行為により生理的にも変化が生じるかどうかは不明だった。

 そこで今回、生理的な変化を捉える生体反応指標として「オキシトシン」に着目し、女性11名に洗髪・トリートメント・スタイリング施術を行い、触れる前後で唾液中のオキシトシン量が変化するかを調べた。同時に、触れた時に感じた髪の状態について10項目の視点で評価してもらい、その際に生じる感情と自己意識の評価を行った。

 まず、唾液中のオキシトシン量の変化と、触れた時に感じた髪の状態についての各項目の評価との関連性を検討した結果、「髪のキメ」の項目のみ、評価が高くなるほどオキシトシン量が上昇する傾向があることがわかった。オキシトシン量の上昇は愛着形成を促進するだけでなく、自己肯定感の上昇への関連も報告されていることから、触れた時に「髪のキメ」を感じることによって自己肯定感が高まる可能性も示唆された。

 次に、髪に触れる前後における感情の変化を、化粧版感情評価尺度を用いて評価した結果、「髪のキメ」の評価が高いほど「贅沢感」「幸福・満足」「ときめき」などの感情を強く感じ、ポジティブな感情が生起されたことがわかった。さらに、自己意識や美容行動について質問したところ、「髪のキメ」の評価が高いほど「自分のことが好きになれた」「スキンケアやメークを変えたくなった」などの評価が高くなり、自己意識にもポジティブな影響を与えたことがわかった。

 以上のことから、髪に触れて「髪のキメ」を感じた時には、体内にも変化が現れ、感情や自己意識にまで影響する可能性が示唆された。
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