一丸ファルコス、北海道産ムラサキを使った着色素材の販売を開始

週刊粧業 2022年12月5日号 6ページ

一丸ファルコス、北海道産ムラサキを使った着色素材の販売を開始
 化粧品・医薬部外品原料の研究開発メーカーである一丸ファルコスは、国産ムラサキ根由来の油溶性天然着色素材「シコニックスリキッド MD(J)」(シコンエキス)の販売を開始した。

 素材となるムラサキの根は、シコン(紫根)と呼ばれ、紫色色素のアセチルシコニンやシコニンを含むため、染料として重用されてきた。また、漢方にも利用され、解熱や解毒、抗炎症薬などに用いられてきた。

 かつては国内にも自生していたシコンだが、近年は中国産がほとんどだ。そこで同社は、2017年より北海道石狩郡当別町にて、地元農業のブランド化を推進する「当別薬用植物栽培研究会」(当別町)の農家らと協同で国産シコンの量産化に向けた取り組みをスタートし、国産シコンの持続可能な生産を確保できる体制を整えて製品化を進めた。国産シコンの使用量拡大で、現地農家の所得アップや生産基盤の維持につながる仕組みになっており、SDGsに配慮した原料としても紹介を進めている。

 油溶性天然着色素材「シコニックスリキッド MD(J)」は、北海道産のムラサキ根(シコン・紫根)より得られ、シコンの主要色素成分であるアセチルシコニンやシコニンは油溶性の成分である。そのため、シコニックスリキッド MD(J)はミリスチン酸オクチルドデシルを溶剤として使用している。化粧水やクリームへの0.1~1%配合で赤~薄桃色に発色を示す。

 また、ヘアケア向けの機能性原料でも、髪への付与により即効性のある体感を与えると根強い人気があるヘマチン製剤である「グロスフィリン」が好調に推移している。

 グロスフィリンは、ヘマチンに由来する漆黒カラーが、シャンプーに特徴的な見た目を与えることでも製品の差別化につながり、家庭用製品にも多数の配合実績を重ねている。

 今年11月には、顧客要望として多かったというエタノールフリー(ベンチレングリコール)タイプ「グロスフィリンP(PD)」を発売し、より低刺激なヘアケア製品にも使えることをアピールしていく。
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