東陽化成、粉体技術を活かした強みづくりに注力

週刊粧業 2023年1月1日号 89ページ

カンタンに言うと

  • 今後は体制強化や開発力向上目指す
東陽化成、粉体技術を活かした強みづくりに注力
 東陽化成は多品種多剤形に対応できる工場を持ち、小ロットへの対応を武器に、コロナ禍も堅調に推移している。坂東義晃代表取締役に話を伺った。

 ――2022年を振り返っていただくといかがでしょうか。

 坂東 コロナ禍に突入してから3年が経ち、オンラインを有効活用しながらも、最近では対面でのコミュニケーションも増えてきている。また、店頭販売、対面版売を行う業態のお客様にとっては厳しい状況が続いてきたが、2022年に入ってからは、それぞれの販路を上手く活かしながら、対面式ではないやり方で展開を広げる動きが多くみられた。

 直近の動向については、入国規制の緩和によりインバウンド需要が回復しつつある一方で、国ごとに行動制限のレベルが異なるため、まだ完全に需要が戻ってきたとはいえない状況だが、今後の回復に期待が持てる。

 水際対策の緩和で観光客も増えつつあることから、インバウンド獲得に向けた企画を検討されるお客様も増えている。

 ――貴社は粉末を扱えるOEMメーカーとして、その機能を活かした強みづくりに注力されてきました。

 坂東 直近1年間で機能性粉体の研究を進め、1月の展示会では新たな提案ができるだろう。今後は、美白関連の製品をはじめ、粉体技術を活かした医薬部外品の開発を進めていく方針だ。

 また、近年フェムテック市場が拡大しており、フェムテック業界でCBDの認知が高まっている。

 当社の強みを活かした形で、化粧品に限らずご提案ができるのではないかと考えている。

 ――今後の展望やお取り組みについてお聞かせください。

 坂東 2023年に関しても、原料などの各種高騰や納期長期化をはじめ、2022年の影響の影響を引き摺るだろう。その中で、当社はものづくりを行う会社として、お客様への供給を決して閉ざさないように、さらなる体制強化に努めていく。

 当社は創業55周年を迎えた。マスク着用が続く中で落ちにくいリップやファンデーションが引き合いを集めているが、コロナ禍や移り変わるトレンドへの対応だけでなく、終息後も愛される製品を生みだしていけるよう、開発力の強化に努め、60年、70年と続いていく企業を目指していきたいと考えている。
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