花王、生後1カ月の皮脂RNA解析でアトピー性皮膚炎を早期に発見

粧業日報 2023年4月21日号 3ページ

カンタンに言うと

  • パートナー企業の探索、共同開発で事業化へ
  • AD発症の予兆を検出できる可能性を見出す
花王、生後1カ月の皮脂RNA解析でアトピー性皮膚炎を早期に発見
 花王と国立成育医療研究センターは、乳児の皮脂RNAを解析することで、生後早期(生後1カ月)に発症するアトピー性皮膚炎(AD)の特徴を把握し、アトピー性皮膚炎の早期発見を目指す研究を共同で実施した。

 その結果、早期発症型ADの乳児の皮脂RNAは、健常皮膚の乳児(健常児)と大きく異なり、皮膚バリアに関わる分子の発現が低いなど、ADの特徴を明確に有していることを明らかにした。さらに、生後1カ月時点でざ瘡(ニキビ)の症状があり、生後2カ月目でADと診断された乳児では、ADを発症する1カ月前から既にADと類似する皮脂RNAの特徴を有することも見出した。

 花王と国立成育医療研究センターは、今後、日本医療研究開発機構(AMED)の支援のもと、簡便かつ身体への負担を伴わずに採取可能な皮脂RNA解析によるAD診断のための医療機器の研究を進め、乳幼児アレルギーゼロ社会の実現に向け、AD早期発見につながる診断技術の開発を進めていく。

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