花王、「DE&I方針」を策定

粧業日報 2023年6月21日号 1ページ

カンタンに言うと

  • 企業理念に基づいた実践を加速、「豊かな共生世界の実現」を目指す
花王、「DE&I方針」を策定
 花王は、「ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DE&I)方針」を新たに策定し、ウェブサイトに公開した。

 今回の新たな方針の策定に伴い、ケミカル事業からコンシューマープロダクツ事業まで広範な事業領域によって得られる多くの機会を活用しながら、社員、ビジネスパートナー、生活者を含む社会といった、各ステークホルダーとともに、ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DE&I)の実践を促進し、社会と事業のさらなる発展を目指していく。

 その実現に向けた数値目標として、社員のDE&Iに関しては「2030年までに女性管理職比率が全女性比率と同じ」「2030年までに社員エンゲージメント調査における『Inclusiveな組織風土』に関する設問の肯定回答率が75%」、ビジネスパートナーとのDE&Iに関しては「2025年までにサプライヤーにおいてSedex回答100%完了」「2025年までに小規模パーム農園までのトレーサビリティを100%完了」「2025年までに花王グループで使用するパーム油をRSPO認証油に100%切り替えをめざす」「2021年~2030年インドネシア独立小規模パーム農園(約5000農園/1万8000ヘクタール)の支援実施」「2022年~インドネシア独立小規模パーム農園に対して、グリーバンスメカニズムを導入」、社会のDE&Iに関しては「2030年までにすべての新製品と改良品が花王ユニバーサルデザインガイドラインに適合している」を定めた。

 社員のDE&I実現に向けた取り組みとして、「女性活躍推進の取り組み」「障がいのある社員の活躍推進に関する取り組み」「LGBTQ+社員の活躍推進の取り組み」「インクルーシブな組織風土醸成」を掲げている。

 「すべての社員が思い込みを超えて、個人の意欲と能力が十分に発揮され、性別によらず自分らしく活躍できる職場環境の整備と風土醸成」という方針を掲げ、様々な意思決定の場に多様な視点が入ることを目指す。その実現に向け、女性管理職比率と女性社員比率に差のある日本においては、「リーダーをめざす、担える人財育成」「意欲高く働くための仕事と育児の両立支援」「バイアスのない育成や登用を実現するマネジメント教育」の3つの重点アクションに取り組んでいく。

 ビジネスパートナーとのDE&I実現に向けては、「責任ある原材料調達」「取引先に求めるパートナーシップ要件に基づくサプライヤー総合評価」「インドネシア小規模パーム農園支援『SMILE』プログラム」「グリーバンスメカニズムの導入」を進める。これにより、「よきモノづくり」を通じた社会課題の解決、労働者の安全やQOLの向上、農家の生活改善などを進め、公平な社会に貢献するとともに、持続可能なサプライチェーンの構築を目指す。

 社会のDE&I実現に向けては、「ユニバーサルプロダクトデザイン」「障害者の視点からDXを推進するミライロ社との業務連携」などを進める。「よきモノづくり」を基本として、これまでもシャンプーにギザギザのきざみを入れるなど時代や業界に先駆ける形でユニバーサルデザインを導入してきたが、今後も誰にでも使いやすい製品の開発・提供を進めていく。

 これまで同様に、「正道を歩む」価値観のもと人権の尊重を基盤としながら、改めて花王におけるDE&Iを定義し実践することで、多様な人々の個性や価値観をさらに活かし、人々の期待を超える、よりよい生活を実現する企業となることを目指しつつ、パーパスである「豊かな共生世界の実現」を推進していく。
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