資生堂、中学生向け道徳教材の提供先を1万名以上に拡大

粧業日報 2023年8月4日号 5ページ

資生堂、中学生向け道徳教材の提供先を1万名以上に拡大
 資生堂は、全国の先生が情報共有できる国内最大級のオンラインプラットフォーム「SENSEI ノート」を開発運営するARROWS Inc.とともに、自分らしい美しさを制限する無意識の偏見や思い込みについて考えることを目的とした中学生向け教材を開発・提供している。

 教材は道徳の授業用教材として全国の中学校の先生向けに告知し、2023年4月から提供を開始した。年度末までに、全国7000名以上の生徒に提供予定だったが、予想を上回る数の応募があった。

 今後は、教材の提供規模を延べ1万名以上に拡大し、高校生も含めより多くの生徒に「自分らしい美しさ」について学びと気づきを深める機会を提供する。

 授業を受けた生徒のアンケートによると、授業前の無意識の偏見や思い込みについて「目を向けたことがある」と回答した生徒は62%だったが、授業後は92%が「もっと目を向けていきたい」と回答し、30%の意識変化があった。

 生徒からは、「自分も無意識に偏見を持っていて、それで他人を傷つけたりすることや過ごしづらくさせていたことがあったと思い、視点を変えたほうがいいと気づいた」など、前向きな回答が多数あった。さらに、授業を受けた生徒の92%が、「無意識の偏見や思い込み」に対して得られた学びや気づきを、家族や友人などの周囲にも認知してもらいたいと回答した。

 教材の特徴として、まずは「無意識の偏見や思い込み」を知り(SEE)、そして議論し(SAY)、これからアクションを起こす(DO)取り組みについて、中高生に学びと気づきを深めてもらえるような内容となっている。今回、印象に残ったことで最も多く挙げられたのは、「無意識の偏見や思い込みは誰にでもありえるということ」(66%)、次いで「無意識の偏見や思い込みが原因で自分らしくいられない人がいること」(64%)だった。また、「無意識の偏見や思い込みにはまずは目を向けることが大切であること」「無意識の思い込みは知らず知らずのうちに自分にも存在していること」は53%、「無意識の思い込みに対してどう向き合ったらいいかを考えたこと」が42%となった。

 生徒の声には、「意見を言いやすい環境を作ることが大切」「自分と違うからという理由で、決めつけないようにしたい」「他人の印象を決めつけていたけど、相手を知って半歩ずつでも歩み寄りたい」など、相手を尊重することの大切さと同時に、生き生きと美しい「ありたい自分」に向かって一歩踏み出すことを考える機会になったというコメントがあった。
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