粧業日報 2024年9月10日号 5ページ
資生堂ジャパンは、「化粧のちから」を通じて、あらゆる人々が自分らしく過ごせる社会の実現を目指し、資生堂ライフクオリティービューティー活動を展開している。今年9月から来年1月にかけては、視覚に障がいのある人が自ら実践できる資生堂独自開発の化粧法「ガイドメイク」の体験会(所要時間:90~120分)を全国各地の盲学校と連携して開催し、新たに社会へ巣立つ学生たちを応援する。
8月7日に先行開催した大阪府立大阪南視覚支援学校での体験会では、参加した学生より「これからは自信をもって化粧ができそう」「化粧を初めてした。今まで踏み出せなかったけど、指でやるメークがよかったので自分でできるようになりたい」という声が寄せられた。
資生堂は、これまで視覚障がい者団体や医療機関等と連携し、中高年を対象に「ガイドメイク」を開催してきたが、団体に属さない人々にも寄り添いたいとの考えから、盲学校とも連携し、学生を対象として性別に関係なく化粧体験の機会を提供する。「化粧のちから」がもつワクワク体験を全国に広げ、誰もが自分らしく生きがいをもって生活できる社会を目指す。
学生向けには、「お肌を健やかに保つスキンケア」「基本のポイントメイク」「紫外線ケア、ヘアケアなどの身だしなみ」の3つのテーマで化粧法を案内(ガイド)する。
なお、使用する化粧品や化粧用具は、視覚に障がいのある人の使いやすさを考慮しながら、国内で販売している同社商品を選定する。
資生堂では、視覚に障がいのある人の積極的な社会参加を「身だしなみ」の側面からサポートしたいという想いのもと、1984年に点字版美容テキスト、商品識別用点字・墨字シール、美容教材などを作成。1987年からは美容情報「おしゃれなひととき」を制作し、2021年より資生堂ライフクオリティービューティーセミナーサイトで、「障がい者リスナーズカフェ」と刷新し、情報発信している。
また、視覚に障がいのある人自身で簡単に実践できる化粧法の確立を目指し、視覚障害者団体の協力のもと、2017年より「見えない・見えにくい方のためのメイクアップセミナー」の試験展開を経て、2019年より同社独自の化粧法「ガイドメイク」として展開している。
さらに、2021年より視覚障がい者向けオンライン講座のメニュー拡充し、視覚に障がいを持つすべての人が「化粧のちから」を通じて自信を持ち、前向きな気持ちで日々を過ごしてもらうことを応援する活動に取り組んでいる。一方、店頭で活動する美容職が多様な生活者に寄り添った応対ができることを目指し、障がい者、高齢者、がん患者に向けた応対の心得や留意点をまとめた「ダイバーシティー応対BOOK」を2022年に発行している。
この記事は粧業日報 2024年9月10日号 5ページ 掲載
■PALTAC、新規事業の創出と海外展開を強化◎機能強化で生産性断トツ№1へ、海外事業はネットワーク化で強化■コーセー、よく眠れないと肌からニンニク臭が増加することを発見■資生堂ジャパン、ガイドメイク体験会を全国の盲学校で開催
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