化粧品・医薬部外品、エアゾール製品のODM/OEM総合メーカーのエア・ウォーター・リアライズはこのほど、九州大学との共同研究で、長寿遺伝子を有意に活性化する化粧品原料16種類を発見した。共同研究成果については、フランスで開催されるIFSCC2025での発表に向けて準備を進める。
同社のIFSCCへの参加は初めてで、新井喜久社長は、「これを機に、当社の研究開発力をアピールする機会を増やし、高機能・高付加価値な製品づくりを推進してODM事業の強化につなげていく」と意気込む。
共同研究のテーマにした長寿遺伝子は、「若返り遺伝子」とも言われ、長寿遺伝子を活性化させることで、シワやシミなどの抑制といったエイジングケアが期待できる。ヒト連用試験(臨床試験)では、有効成分を配合した化粧品を4週間、連用塗布したところ、プラセボに比べ、角層水分量を20%上昇させ、TEWL(経皮水分蒸散量)を有意に抑制することが認められた。研究成果を応用したスキンケア製品の開発も既にスタートしており、「若返り」をコンセプトにしたスキンケア製品の提案につなげる。
また、同社は別の大学とも産学連携による付加価値研究を推進している。その一例として、肌の炎症を引き起こすとされる特定のサイトカイニンを抑える化粧品原料の評価を実施したところ、安全性が確認されている5種類の原料に強力な抑制効果があることを確認した。これら抗炎症を有する5成分は、抗炎症成分として知られる有効成分・グリチルリチン酸ジカリウムの数倍もの炎症抑制効果が認められたという。今春より高い効果感と安全性を両立させた敏感肌用化粧品の開発をスタートし、高機能・高付加価値化に貢献していく。長寿遺伝子の研究と同様、「IFSCCなど技術リリースに向けて準備を進めていく」という。
医薬部外品の開発も強化する。同社は既に育毛剤、制汗剤、抗炎症、美白などの医薬部外品の使用前例を数多く有し、申請にかかわるサポート体制を整備しているが、新井社長は、「新たにヘパリン類似物質の前例を数種取得しており、他の有効成分の前例取得を進めていく」と述べ、医薬部外品の処方数を増やしていく考えを示した。
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この記事は週刊粧業 2024年4月8日号 17ページ 掲載
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