アンズコーポレーション、価値訴求型ODMでリピート受注が好調

週刊粧業 2023年8月21日号 10ページ

カンタンに言うと

  • 顧客品質の追求へ新サービスも
アンズコーポレーション、価値訴求型ODMでリピート受注が好調
 「LTV型ODM」を打ち出し付加価値訴求の製品開発を推進するアンズコーポレーションは、独自の3D皮膚モデルを使用した実効性評価試験を行える体制を整え、機能性を中心としたODM戦略を推進する。既に製剤や原料の機能性を可視化し、相対評価できる評価技術を確立している。来年夏頃にも新たな顧客サービスとして提供を開始する計画だ。

 同社は、「処方技術の高度化により、機能性を中心としたODMスキームを構築し、ブランドコンセプトとエビデンスに一貫性のある製品開発を実現していく」と話している。3D皮膚モデルを使用した評価試験は、一人ひとりの肌質や髪質に合わせて製品・サービスを提案する「パーソナライズ」や「カスタマイズ」のコンセプトにも応用していくという。

 同社がコロナ禍で推進してきた顧客起点によるLTV型ODMの成果は、受注のリピート率に現れ始めている。2024年2月期は、行動制限が大幅に緩和された影響もあり、店販向け製品を中心に受注回復が見られ、通期では前期比7%前後の増収で推移する見通しだ。

 開発を得意とするクレンジングバームは、商品数の増加で市場は成熟期に入っているが、「店販向けの企画ではオイルタイプとともに一定の引き合いがあり、微増で推移している」と話した。また、マスク生活で苦戦が続いていた保湿系リップも回復傾向が見られるという。さらに、フェムケアなど新たなカテゴリー商材の成約が増えているほか、中価格帯スキンケア製品も想定以上の追加受注があり、スキンケア全体の売上を後押ししている。

 「コロナ禍の苦境で、ブランドメーカーも顧客とのつながり方を重視する傾向が見られ、コンペなどでは、当社が掲げるLTV型の提案に関心を持っていただけるようになってきたという印象はある。今後も軸をぶらさず、価値訴求型の開発・提案を進めていく」(同社)

 需要が高まるサステナブルな製品への対応では、プラスチック使用量の削減につながる減プラチューブ容器に対応する低温ヒートシール充填機を導入した。将来的には紙製容器への対応も視野に入れている。

 処方開発では、ISO16128に準拠した自然由来指数をベースにした処方系を拡充し、様々な顧客ニーズに対応できる体制を整えていく。
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