日本コルマー、分散生産を推進し供給基盤の強化へ

週刊粧業 2024年1月1日号 82ページ

カンタンに言うと

  • 今期も受注好調
日本コルマー、分散生産を推進し供給基盤の強化へ
 化粧品OEM/ODM業界で国内最大手の日本コルマーは、ヘアケアをはじめスキンケア、メイクアップなど各カテゴリーの受注が堅調で20期連続増収の達成が濃厚だ。

 2024年3月期上期は前年同期比約18%増で推移し、下期も好調をキープしている。

 神崎義英社長に話を聞いた。

 ――貴社の業績推移からも、化粧品OEM/ODM業界はコロナ禍を経て回復基調が見えてきた印象があります。

 神崎 22~23年にかけてスタートアップ企業やファブレス企業からの受注が増えたことに加え、自社で研究所や工場を所有するブランドメーカーが引き続きアウトソーシング化を進めていることがOEM/ODM市場の伸長を後押ししている。

 2023年に見られたアフターコロナの流れは、2024年も継続するだろう。

 ――需要拡大を見据え、生産能力の増強を図っています。

 神崎 現在、結城工場(茨城県結城市)の近隣に新工場を建設中であり、2025年春の操業開始を予定している。バルク製造棟を新設した広島工場(広島県東広島市)を含め、ハード面は増産可能な体制が整いつつある。

 一方で、人材を中心としたソフト面が課題になってきている。

 想定以上の受注をいただいているものの、人員増強が十分に追いついていないのが現状である。各部門の頑張りがあり、とりわけ生産部門の業績への貢献度は高い。需要と供給のバランスを重視した経営も重要になってきている。

 ――各工場では、BCPの観点から複数工場で同じ製品を生産できる分散型の生産体制の構築を進めています。

 神崎 本来、工場を一カ所に集約する方が効率的ではあるが、地震や豪雨など自然災害への対応でリスク分散の観点から工場の多拠点化を推進しており、併行して製造品目の分散化も進めている。

 全てのカテゴリーが複数の工場で製造できる体制が整っている。現在はポイントメークの分散生産も進めている。あらゆる化粧品を、複数の工場で作れる供給基盤を強固にしていく。
ホーム > 化粧品業界人必読!週刊粧業オンライン > 日本コルマー、分散生産を推進し供給基盤の強化へ

ライブラリ・無料
ダウンロードコーナー

刊行物紹介

定期購読はこちら
お仕事紹介ナビ

アクセスランキング

  • 日間
  • 週間
  • 月間
PDF版 ダウンロード販売
化粧品マーケティング情報
調査レポート
株式会社矢野経済研究所
pagetop