化粧品容器商社のグラセル(本社=大阪、谷村敏昭社長)では、5年程前より「脱ガラス化」を合言葉に、プラスチック容器の品揃え強化に取り組んでいる。
「ガラス容器の場合は塗装などのコストがどうしても高くなるが、プラスチックの場合はそれを抑えられる。これまでプラスチック容器はガラスと比べると重量感や見た目で劣っていたが、最近は、ガラスに近い質感の肉厚なプラスチック容器も作れるようになってきた。当社が、昨年発売したインブロ成形の肉厚ペット容器シリーズも大変に好評で、今期は新たに楕円形2種、角型、丸型各1種の合計4シリーズを発売した。引き続き、年に4シリーズずつ新製品を投入していき、今後10年ぐらいをかけて、ガラス容器以上にプラスチック容器のラインアップの充実を図りたい」 (谷村社長)
デザイン性や高付加価値の容器を求める顧客のニーズにも積極的に応える考えだ。
「これから先は、今までとは少し違ったパターンの容器も要求されるようになってくるだろう。たとえば、当社では樹脂とエラストマーとの組み合わせで2色成形のキャップなどの提案も始めている。また、デザイン性や見た目という点では、韓国製容器は非常にバリエーションが豊富で、そういう意味でも積極的に展開していきたい。コスト対策として、これまで国内で行ってきた検品作業を現地で行えるよう、新たに検査場も設ける予定だ」 (谷村社長)
売れ筋商品はクリーム容器「ATTO」やインブロペット容器のほか、最近発売して好評を博しているのがパウダー容器「NOVY(ノヴィ)」(写真)だ。
パウダーとパフの接触面がメッシュで出来ており、容器をひっくり返さなくても、パフに粉を適量つけられるというすぐれもの。底が丸くなっているのでパウダーを最後までムラなくつけられるのも特徴のひとつだ。これまで1シリーズだったが、今後ひとまわり小さいサイズも用意するという。
「昔と違って販売予測の難しい時代に入り、メーカーは金型に投資するより販促に力を入れた方がお得な時代に突入している。今後ますますその傾向は強まるだろうし、厳しい競争を勝ち抜くためには、売れ筋商品や魅力のある商品をどれだけ沢山揃えるかによる。ユーザーの多様化するニーズに応えていきたい」(谷村社長)
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この記事は週刊粧業 掲載
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