日本色材工業研究所の2011年2月期連結決算は、売上高66億6400万円で対前年比1.3%増、営業利益4億300万円で同64.8%増、経常利益3億500万円で同128.5%増、当期純利益は5300万円で同7.3%増と増収増益を堅持した。
大幅な経常増益に対し最終利益の伸びが小幅な背景では、保有する遊休不動産(茨城県北茨城市)に係わる繰延税金資産2億3400万円を取り崩した結果、法人税等調整額が2億4600万円の計上となったことが直接的に影響した。その結果、当期純利益は期首の見通しに対し82.7%減と計画値を大きく下回った。
主軸の国内事業で「STEP―UP80」と呼ぶ事業構造改革プロジェクトが奏功し、売上高の増大や利益体質の強化につなげた。日本の個別業績は売上高57億6300万円で対前年比2.9%増だったほか、売上原価の圧縮などにより売上高総利益率は前の期に比べ3.2P向上の21.5%に改善した結果、営業利益は9億9400万円で同29.9%増となった。
また、好調に推移した国内事業の内訳を見ると、売上構成比が60.3%と最も高い「国内化粧品メーカー」の売上高が対前年比2.1%減だったのに対し、婦人服最大手ワールド(神戸市)など「国内異業種」(44.2%増)や「在日外資系」(1.3%増)が伸びて主力の落ち込みをカバーした。
一方で、仏テプニエ社は新規顧客からの受注で洗顔クリームの数字を伸ばしたもののマスカラが実績割れとなり化粧品事業が苦戦となったほか、医薬品に回復の兆しが見えても前の期の数字に届かなかった。
テプニエは売上高9億3300万円で対前年比10.3%減、営業損失2500万円(前の期は5000万円の営業損失)となり海外事業は中間期までの増収増益ペースが下半期で急減速した。
今期の業績見通しは売上高69億2100万円(対前年比3.9%増)、当期純利益2億400万円(同279.6%増)を目標にしている。
仏子会社の黒字化へ不退転の決意
このほど都内で開催した決算会見で同社の奥村浩士社長は、まず国内の出来に関し「経常利益3億500万円は公開後の最高利益」だったと述べて一定の達成感を示し、構造改革プロジェクトの成果で「経費を1億円圧縮したところ、営業利益が相当伸びた」と語った。
また、当期のトピックとして「月次売上高の標準化と平準化ができたことは評価できる」としたうえで、繁忙時と閑散期を埋めた工夫や提案を具体的に説明した。国内に見た複数のプラス材料に目を細める一方で、当面のアキレス腱といえる在外子会社の社長として「今期はなにがなんでも黒字化したい」との言葉で固い決意を見せた。
さらに、当期が初年度だった中期経営計画の進捗について触れ、当面の急務として「開発投資と生産力の増強が要る。このまま行くと国内工場は4年後にパンクしてしまう」として足元の不安を払拭すると語った。その先に見る構想の部分では、「海外拠点を増やしたい。(候補地として)インドが視野に入っている」ことを明らかにした。
この記事は粧業日報 掲載
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