コスメ業界3つの最新トレンド①～通販化粧品上位30社の4年間売上推移ほか

コスメ業界、消費者の心をつかむこれからの3つの最新トレンド
①ネットを中心に新たな顧客を囲い込む最新通販チャネル

　㈱ソフィアリンクスではこのほど、「コスメ業界、消費者の心をつかむこれからの3つの最新トレンド」について調査・分析を行った。第1回目となる今回は、「ネットを中心に新たな顧客を囲い込む最新通販チャネル」（前編）（後編）についてのレポートをお届けする。主な内容は、「通販市場の概況」「通販チャネルと他チャネル」「化粧品市場チャネル別構成比の推移」「通販化粧品上位30社の4年間売上推移」「調査対象企業の売上推移（1位～10位）」となっている。

１．通販市場の概況

　2010年度（2010年4月～2011年3月）の化粧品を含めた通販市場全体の市場規模は4兆6,700億円。前年度比8.4％増となっている。2000年度以降プラス成長を続けており、売上高は過去最高を更新。2000年度（2兆3,900億円）から2倍近くに拡大している。

２．通販チャネルと他チャネル

　アメリカの大手コンサルティング会社のボストン・コンサルティング・グループによると、日本の小売販売額に占めるネット通販比率は他の先進国より低い。2010年で4.3％。2016年には6.8％になる見通し。

　携帯電話の基地局などの設備投資や政府支出などを加えたネット関連の経済規模は2010年でGDPの4.7％にあたる23兆円。2016年には30兆円（GDP比5.6％）に達すると見られている。（日経MJ2012年3月23日より）

　日本のネット通販比率は他の先進国より低く、まだまだ”伸びしろ”があると考えられる。

３．化粧品市場チャネル別構成比の推移

　チャネル別構成比1位は2008年以降ドラッグストアが維持している。通信販売は2008年の時点で化粧品店・薬局・薬店につぐ3位であったが、2009年には2位となっている。通信販売はその後も販売金額を伸ばし、高成長を続けており、2011年は15.9%になる見込み。

４．通販化粧品上位30社の4年間売上推移

　2008年以降1位～10位の顔ぶれは同じであり、 DHCが１位を維持している。11位以下ではピュール（利尻ヘアカラートリートメント）や富士フィルム（アスタリフト）などが急激に売上を伸ばしている。

５．調査対象企業の売上推移（1位～10位）

【ガシー・レンカー・ジャパン】
　主力ブランド「プロアクティブ」が好調。TVCMによる露出を高めたことにより、引き続き販売高を大きく伸ばしている。
2010年12月のブランドリニューアルでは“日本人向け処方”を前面に訴求。また、60日間返金保証に加え、30サイズを設けることで価格的なハードルを下げ、新規顧客の獲得を目指している。

【ドクターシーラボ】
　主力ブランド「アクアコラーゲンゲルシリーズ」が好調で、売上全体の4割近くを占めている。メイクアップでは「BBパーフェクトクリーム」が好評で2桁成長を続けている。エンリッチリフトEX」「薬用アクアコラーゲンゲル美白」「アクアインダーム」を戦略商品として拡販を図る意向。

【新日本製薬】
　主力ブランド「ラフィネ」が定期購入者が多いことなどから好調。新商品を積極的に投入するとともに、既存商品のリニューアルにも注力している。2011年9月には新エイジングブランド「グレイスフォース」を立ち上げた。また、新規顧客獲得のため、無料サンプルやお手頃なトライアルセットなどの新たな集客手法を積極的に採用していく考え。

●化粧品マーケティング情報   http://www.syogyo.jp/info/

●執筆者：株式会社週刊粧業 顧問 三原誠史
株式会社ソフィアリンクス代表取締役
大阪芸術大学講師

1963年生まれ。大阪芸術大学デザイン学科卒
大手家電メーカーの戦略デザイン室にてシングル家電シリーズのデザインプロデュースを行う。その後、大手出版社を経て独自のブランディングプロデュース事業を開始。
化粧品メーカーの新商品開発、ブランド開発、プロモーション、戦略構築など多数手がける。最近では化粧品メーカーの中国市場の進出支援事業も積極的に行っている。

〈Webサイト〉http://www.sophialinks.com/
〈お問い合わせ〉mihara@sophialinks.com

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