森永エンジニアリングは、微酸性電解水を製造する装置「ピュアスター」を販売している。この装置から作られる「ピュアスター水」は、2~6%の塩酸を電解して作られる次亜塩素酸水で、殺菌剤として知られている次亜塩素酸ナトリウム溶液と同等の殺菌力を持ちながら、塩素濃度が極めて低いことが特長だ。
海外からの引き合いも増しており、昨年には中国最大の食品総合企業である旺旺(ワウワウ)グループと提携し、現地販売も順調に進んでいるという。また、北欧を中心とした欧州各国の企業へ輸出販売するため、EUの一部製品の販売に義務付けられている厳格な規格をクリアした指標である「CEマーク」を取得した。
先だっては、今年4月に食品添加物に関する一部の規格に変更があり、微酸性次亜塩素酸水の塩素濃度は10~80ppm、弱酸性次亜塩素酸水においても10~60ppmと以前より規定範囲が広がった。しかし、もともと10~30ppmの塩素濃度が低い範囲内でも強力な殺菌力があることを強みとしていた同社は、「今回の規格変更は影響がない」(堀井純ピュアスターブ部部長)と断言し、ピュアスター水の濃度変更は行わない方針だ。
使用用途は主に容器や設備の仕上げ洗浄のほか、細菌やウイルスの繁殖防止や殺菌効果があるため、工場のクリーンルームや床洗浄などにも使用し、衛生レベルの維持・向上を図ることもできる。安全で、人体にも影響がないため、手洗いにも推奨する。
「エステサロンのベッドや、使用済みガーゼの殺菌にも使える。水道水と同じ感覚で導入してほしい」(堀井氏)
引き合いが増えている中・大型機は、コスト面を見直し、来年度以降の発売を予定する。導入型が決まったら顧客の設備を考慮し、オーダーメイドのユニットを提案できるため、価格を下げ、既存顧客のリピートを喚起する方針だ。
「将来的に、家庭用小型機も開発して、生活の安全を担保する水として普及させたい」(堀井氏)
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