2012年上期オーラルケア市場、歯ミガキ(歯磨き)が牽引し市場拡大

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2012年上期オーラルケア市場、歯ミガキ(歯磨き)が牽引し市場拡大

 2012年1~8月のオーラルケア市場は、前年比101%(ライオン調べ)と引き続き拡大傾向にある。歯ミガキが102%、歯ブラシ・洗口液ともに横ばいで推移し、歯間清掃具を含むデンタル用品は105%強となった。特に歯ミガキカテゴリーは、個数は横ばい~微減傾向にあるが、歯周病や歯槽膿漏といった重度の口腔悩みに特化した高付加価値品が単価を押し上げ、市場拡大を牽引している。

歯ミガキは高付加価値品好調で堅調、
歯ブラシは二極化進み横ばい傾向に

 歯ミガキは、「250~499円」の中価格帯がボリュームゾーンとなっているが、最も伸長が著しいのは「500円以上」の高価格帯で、効能別では上期に引き続き「歯周病・歯槽膿漏ケア」が好調だ。また、近年は「知覚過敏」の認知率が98%まで浸透しており、同カテゴリーは年間16%の割合で拡大している。成長著しいカテゴリーであり、各社「知覚過敏」に対応した製品を積極的に投入する動きがみられる。

 歯ブラシ市場に関しても、歯ミガキ同様、「歯周病・歯槽膿漏ケア」など機能訴求型の高付加価値品が増加傾向にあるが、以前ほどではないとはいえ未だ安価なPBの需要も高く、低価格帯と高価格帯で二極化しているため、上期においても成長率は横ばいとなった。しかし、歯ブラシは年末に買い替える生活者も多く、各社、まとめ買いを狙ったキャンペーンを展開して需要を促し、市場縮小に歯止めをかけている。

 1989年から当時の厚生省と日本歯科医師会が推奨している「8020(ハチマルニイマル)運動」や、2000年にスタートした「健康日本21」などの取り組みにより、約20年前と比較して高齢者の残存歯数が増えていることも、市場拡大に寄与しているという。

 厚労省が昨年行った調査によると、歯が20本以上残っている割合は、65~69歳で約70%(1993年は約31%)、70~74歳が約52%(同25%)、75~79歳は約48%(同10%)、80~84歳は約29%(同12%)、85歳以上は約17%(同7%)となっており、今後もオーラルケアの実施により残存歯数は増加することが見込まれている。

 年齢を重ねても歯が抜けずに残っているため、口腔内の悩みも虫歯だけにとどまらず、ニーズも多様化している。その結果、各カテゴリーでパーソナルユース化が進み、機能訴求型の高付加価値品において成長が顕著にあらわれている。(以下、省略)

【記事掲載企業】
◎ライオン~高付加価値品育成し市場活性化を図る
◎花王~「クリアクリーン」ブランド軸にターゲット明確化しニーズを満たす
◎サンスター~ハグキケア着目した新シリーズが好調、液体では具体的な使用シーンを提案
◎小林製薬~「生葉」から知覚過敏も予防する付加価値品を発売
◎日本ゼトック~新規開拓に向け大阪営業所を新設、開発原料を応用した製品化を推進
◎スモカ歯磨~堅調な歯科製品OEMを伸ばし通販事業の基盤構築へ積極投資
その他掲載企業/サンギ、NSファーファ・ジャパン、丸海きあら

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