化粧品研究の最先端、幹細胞化粧品・幹細胞コスメの動向を追う

週刊粧業 2013年1月1日号 32ページ

カンタンに言うと

化粧品研究の最先端、幹細胞化粧品・幹細胞コスメの動向を追う

 再生医療の分野で最も注目されている「幹細胞(ステムセル)」の研究は、1990年代よりその域を広げ、美容と健康分野へと進展している。

 今特集では「幹細胞化粧品・幹細胞コスメの最新動向」と題し、幹細胞研究を精力的に取り組んでいる本舗メーカーと原材料メーカーに、これまでの研究成果と今後の展望について話を聞いた。

 また、再生医療の実現可能性を最終ゴールとする大学の研究機関から、最新の幹細胞研究の動向とともに、化粧品業界への応用化について語ってもらった。

 幹細胞研究は、2012年秋に京都大学の山中伸弥教授がノーベル賞を受賞した「iPS細胞(人工多能性幹細胞)」の作成(2007年)により大きく進展した。これまで、受精卵から取り出される幹細胞「ES細胞(胚性幹細胞)」を使用しなければならず、倫理上の問題があった。

 しかし、人や動物に存在する線維芽細胞などから幹細胞を採りだし、特定の遺伝子を導入して作る人工的な幹細胞(iPS細胞)を使うことで、その問題をクリアし、研究を推進することが可能になった。

 一方、幹細胞研究は、医療分野以外でも注目され、化粧品業界では、ES細胞から少し進んだ幹細胞「体性幹細胞」に着目し、研究が進められた。

 体性幹細胞とは、身体の各組織に存在し、特定の細胞になれる幹細胞を指し、その一つ、皮膚幹細胞へアプローチする成分や理論を確立することにより、革新的な肌のエイジングケアが実現可能になることを意味する。

 今回取材したアルビオンが2002年、日本メナード化粧品は2003年より、業界に先駆け幹細胞研究をスタートさせており、特集では、幹細胞研究に基づく美容理論や、研究成果を応用し、製品化した経緯などについて語ってもらった。

 また、その他のメーカーも研究に着手しており、業界最大手の資生堂も2004年からの幹細胞研究を活かしたクリームを2012年10月より発売するなど、今後は幹細胞に着目した化粧品の発売が増えていくと考えられる。

 一方、キーワードとしての「幹細胞化粧品」にはもう一つの流れがある。植物の幹細胞に着目した美容成分(植物幹細胞成分)を用いた化粧品群もまた、「幹細胞化粧品」と呼称されている。

 そして、外資系化学メーカーのクローダジャパンが今回紹介した「RESISTEM」のように「皮膚の幹細胞にアプローチする植物幹細胞成分」の開発も進んでいる。

 いずれも肌のエイジングケアに高い効果が期待でき、注目を集めているが、生活者に「幹細胞化粧品」を正しく理解し使ってもらうためにも、「皮膚幹細胞に着目した化粧品」「植物幹細胞成分を配合した化粧品」、そしてその「どちらも兼ね備えた化粧品」といったような区別が今後は必要になってくると思われる。

※写真は、アルビオン「エクシア AL リニューイングライン」。

【幹細胞化粧品の最新動向・掲載企業・医療機関一覧】

〈化粧品メーカー編〉
アルビオン~業界に先駆け皮膚幹細胞研究を推進、対象ブランドは発売9年の実績

――貴社が皮膚幹細胞に着目したきっかけは。
――研究開始から約1年で製品化に至りました。
――シリーズ発売後は。
頭皮のバルジ領域を活性化させる植物幹細胞エキスを開発、製品化
――近年、産学連携や、専門分野の知見に長けたベンチャー、海外企業との共同開発にも積極的に取り組まれています。
――他に現在、注力している研究はありますか。

日本メナード化粧品~幹細胞研究に着手して10年、エイジングケアの新基軸を打ち出す
――幹細胞研究に関する研究成果を多くの学会で発表しています。
――これまでの研究成果については。
――大学との共同研究も進めているようですね。
シミ発生メカニズムを解明し、美白化粧品に応用
――エイジングケアの他に美容の研究を進めていますか。
――今後の幹細胞研究の展望は。

〈医療機関編〉
聖マリアンナ医科大学~医療分野とメーカーの技術を融合し幹細胞化粧品のさらなる発展に期待
――再生医療において、これまでの研究の歩みをお教え下さい。
――再生医療に携わる研究者として、幹細胞化粧品に関しどのような見解を持ちますか。
――幹細胞化粧品の今後の発展の可能性についてお聞かせ下さい。

東京理科大学~科学的根拠に基づいた開発プロセスを啓蒙、女性薄毛やハリ・コシ低下の解明にも意欲
――臓器や器官のもととなる「器官原基」の再生医療技術を開発し、その技術を用いて、これまで「歯」と「毛」の再生を証明されました。
――臨床レベルでの応用は。
――もう一つの分野は。

〈化粧品原料メーカー編〉
クローダジャパン~植物幹細胞「RESISTEM」拡販へ、「IRB」のラインナップも提案強化
一丸ファルコス~増やすではなく「活性させる」発想で表皮幹細胞の寿命を延ばす素材を開発

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