週刊粧業 2012年8月6日号 8ページ
カンタンに言うと
アイテム軸から化粧品トイレタリーメーカーの販売動向を知るため、本紙は2012年8月6日号で特集「上半期MVP商品」を取りまとめた。
これを受け、本号では昨年の年間MVPに該当する各社の売れ筋商品にスポットを当て、その開発背景や仕掛け面での成功要因を製造販売会社に聞いた。
政権交代後は株価の上昇や円安の進行がメディアを賑わす中、これらが実態経済へ反映するのも間近といった論調が聞こえている。
これに対し、2012年は冷え込む消費に末期の政権が大鉈をふるえなかったことが明白で、こうした逆風下で「MVP」と評価を受ける商品は高い価値を秘めたアイテムだと見ることができる。
紙面を飾った各社の事情を知る前に、経産省による2012年の化粧品年間出荷金額(既報)を再確認する必要がある。対前年比0.2%増の1兆4033億6800万円は2年ぶりのプラス基調だったほか、調査を開始して以来最大の下げ幅(7.9%減)だった2009年実績との対比では1.3%増となった。
こうした実態に照らすかぎり、本特集ページに踊る商品の数々はマーケット全体の上げ潮ムードに乗って販売数量を伸ばしたわけではなく、精度の高い開発力と的確なマーケティングが相まってMVPへ駆け上がったといえる。
また、SMBCコンサルティングが先に発表した「2012年ヒット商品番付」からも、昨年に消費者へ影響した“売れる条件”を垣間見ることができるかもしれない。同番付で発表の主体は、「iPS細胞」と「東京スカイツリー」を「横綱」にあげた根拠として「日本の技術力の高さ」と定義している。本項が網羅した製品の数々も、同様の要素がありそうだ。
【記事掲載企業】
◎小林製薬~香り、価格でトライアルを喚起、サワデーブランドの若返りに成功
◎マンダム~「ギャツビー」ボディペーパーが好調、天候不順の逆風下でプラス成長
◎牛乳石鹸共進社~訴求ポイントを「濃密泡」に絞り「こだわりの1本」で2ケタ成長
◎ファンケル~美白ラインの拡充により売上げの従来比が1.3倍に
◎バスクリン~炭酸ガス3倍の高機能シリーズ「使う面白さ」も訴求し好発進
◎伊勢半~発売3年目のニッチ商品が微修正奏功して一挙に開花
◎エステー~小幅な仕様修正が利いて年間売上げが118%に
◎フォーデイズ~昨秋に発売した美容液が月間出荷数で3万本射程
◎地の塩社~大容量・低価格の化粧水がデフレ向け商材で好調持続
◎ちふれ化粧品~化粧水「とてもしっとり」が60万本出荷、ドラッグストア実績11%増に
◎ヤクルト本社~「入口」担う基礎化粧品が前年比120%と販売好調
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この記事は週刊粧業 2012年8月6日号 8ページ 掲載
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