安心・安全への意識や地産地消の考え方が広がる中、日本各地に散らばる地元の特産素材を活用し、化粧品を開発しようという試みが少しずつ広がりを見せている。
そこには、これまで廃棄されていた農産物を再利用するなどのエコロジーな視点のほか、経営難や後継者不足に悩まされる農家への支援、さらには過疎化や産業の空洞化が進む地方の活性化につなげたいとするねらいもある。改めてその意義や各社の取り組みを追った。(記事詳細はこちら)
美容効果でお墨付き得るも
売上げや販売先の広がりに壁
今回取材した企業は、栃木、埼玉、石川、愛媛、沖縄の5県にまたがった。それぞれ地元の特産素材などとして、いちご、桐炭、日本酒、みかん、モズクから化粧品原料としての有用性を見出し、製品化につなげている。
中でも、酒造メーカーの福光屋(石川県)は化粧品事業を軌道に乗せている印象だ。美容ドリンクなども開発しており、ラインナップも豊富であり、東京でのショップ展開も加速させている。
ただ、こうした例は決して多くないのが現状といえそうだ。販売メーカーの多くは化粧品ビジネスの経験がない上に、中小企業であるケースが多い。そのため、広告宣伝費などに予算をかけられないといった事情がある。また、そうしたノウハウを身に付けるのも決して容易ではない。
販売場所は、地元の土産屋などが中心となる場合が多く、ネット通販は展開しているものの、全国にアピールできるほどの状況ではないのが実情だ。今後は、製品面でのオリジナリティを高めることに加え、販促をどう進めていくのかも課題となる。
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この記事は週刊粧業 掲載
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