2012年のファブリックケア(洗剤・柔軟剤)市場は、衣料用洗剤が前年比2%増で約2000億円となった。昨年まで2ケタで伸長していた濃縮超コンパクトタイプがやや落ち着いたため、市場の伸びも緩やかな動きを示しているが、粉末から液体への使用のシフトは進んでおり、液体と粉末の構成比は6対4となっている。
特に液体の中でも濃縮超コンパクトタイプは4割を占めるが、濃縮超コンパクトの登場時と比べ、レギュラータイプから濃縮タイプへのシフトが鈍化している。非常に少ない量で洗濯が完了するが、あまりの少量ゆえに汚れ落ちを気にして従来のレギュラー洗剤へ戻る生活者も現れているためだ。
それでもやはり、洗濯の手間を省きたいとするニーズは減らず、かつ近年の洗濯機の機能で「スピードコース」が一般的になってきたことから、各社とも「スピードコース」への対応も訴求し始めた。いわゆる「おしゃれ着洗い」と言われる軽質洗剤は、使用率や頻度がほぼ横ばいだったため前年比1%増の微増で終わった。
柔軟仕上剤(漂白剤、糊剤、衣料用消臭剤含む)が前年比7%増の約1450億円となった。高残香性へのニーズが高いが、一方でアロマ系の優しくナチュラルな香りや、防臭に対するニーズも顕在化しており、柔軟剤においても防臭・消臭機能を付与する製品が発売されている。2013年上期は、柔軟仕上剤が前年比1%増、柔軟剤のみは2%増と落ち着いたが、残香性が5%増とまだ伸長しているため、引き続き市場を牽引していくカテゴリーとなりそうだ。
2013年上期から市場の成長スピードはやや緩やかになったものの、まだ着実に拡大を続けている。高付加価値・高単価の濃縮超コンパクト洗剤や、柔軟剤、使用率の低い軽質洗剤を育成し伸ばしていくことで、さらなる成長を図っていきたいところだ。(2013年ファブリックケア(衣料用洗剤)の最新動向はこちら)
※画像は、花王が8月より発売を開始したスピードコース対応の超コンパクト洗剤「ウルトラアタックNeo」。
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この記事は週刊粧業 掲載
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