都市部に集中した百貨店が
百貨店派の顧客を取り合う
百貨店の立地状況をたずねると、都市部の駅周辺部に集中しているのがわかる。電鉄系の百貨店が多いため、ターミナル出店が目立つ。地方都市になると通行量の多い中核商店街に店舗を構えるケースもみられる。
今後の出店予定地もやはり駅周辺部を目指す傾向にある。多くのテナントを擁する駅ビルへの顧客流出を防ぐためにも、駅周辺で足場を固める動きはさらに強まっていくだろう。
最大のライバル業態についてたずねたところ、同業者をあげた店舗が多く、これは前回より6.8P増加している。これに伴い、通信販売をライバル視する店舗は昨年より7.6P減少し、同業他社同士で百貨店志向の化粧品ユーザーを取り合っているのがわかる。
若い世代を中心に百貨店離れが進み、通販やドラッグで化粧品を購入する人が増えていると言われるが、他業態の顧客を引き込むよりも、カウンセリングを受けて高価格帯の化粧品を購入しようとする百貨店派を効率よく取り込もうとする動きが、今後は加速化する可能性がある。しかしそれでは客数の増加には限界があり、新客を取り込むためにはより広い視野で化粧品ユーザーを見据え、アプローチしていく必要がありそうだ。
百貨店がターミナル駅周辺に集中すると、百貨店同士の競争がますます激しくなるだろう。
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この記事は週刊粧業 2015年10月26日号 12ページ 掲載
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