フレグランス、新たな視点で市場を喚起しユーザー育成

C&T 2015年9月15日号 18ページ

カンタンに言うと

フレグランス、新たな視点で市場を喚起しユーザー育成
 日本におけるフレグランスはまだまだ成長過程にある。洋服のように毎日着替えて楽しむ人は少数派で、化粧品とファッションの中間的な存在として両者の間を漂いながら歴史を刻んできた。

 サイエンスの観点で語ると難解になるが、ファッションの側面だけでは語り尽くせない不思議な商材である。

 欧米人には当たり前のものであっても、日本人には特別なもの―そんな印象がぬぐえない。日本人との距離を縮めるには、新たな思考で挑む必要がありそうだ。

フレグランス市場は安定推移
求められる起爆剤的取り組み

 フレグランスは輸入品がおよそ85%を占め、海外ブランドが優勢な状況である。2014年は輸入額が214億円で、フランスが128億5000万円と2位のイタリア(38億5000万円)を大きく引き離した。

 ただし、国内メーカーのオリジナルブランドはセルフ流通を中心に販路を広げ、日本人の香り志向に応える形でユーザーを増やしている。

 フレグランスの並行輸入が解禁されて、取扱店が広がり、若年層を中心に多くの新規ユーザーがついていた90年代後半、その成長性を見込んでフレグランスに投資する企業が多かった。当時500億円ほどだった右肩上がりの市場は、「10年後に1000億円に達するのでは」(メーカー)という声も上がったほどだ。

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