カネボウ化粧品夏坂社長、カネボウらしさを磨く

　本年は、3つの「カネボウらしさ」を、市場での競争力としてより一層磨き上げ、さらに改革を推し進める1年にしていきたいと思います。

　1つ目は「五感で感じるモノづくり」です。

　昨秋、小田原に花王グループの化粧品の研究施設「ビューティリサーチ&イノベーションセンター」を完成させました。「世界に美を発信するODAWARA」として、科学と感性を融合させた革新的な研究に取り組み、強みの「五感設計」をさらに極め、お客さまに喜んでいただける商品を生みだしていきたいと考えています。

　2つ目は「寄り添うカウンセリング」です。お客さまの一日、一月、一年、そして一生に寄り添う「時間美容カウンセリング」を、カネボウ化粧品全体の標準カウンセリングとして提案していきます。

　また、スマートフォンを用いてお客さまとの絆を深めることにも取り組んでいます。この1月からは、スマートフォン用アプリ「スマイルコネクト」と百貨店や総合スーパーのカネボウ店頭顧客システム設置店との連携を開始し、お客さまがご自身のパーソナルな情報を、アプリを通じていつでも閲覧できる環境を整えていきます。

　3つ目は、「個性に輝きを添えるブランド」づくりです。昨年9月、これまでの集大成として発売したのが、カネボウ化粧品を象徴するグローバルブランド「KANEBO」です。シンプルでナチュラルな生き方を志向する女性に向けて、これまでにない、いわば「ニュープレステージブランド」と位置付け、大切に育てていきたいと考えています。

　海外事業につきましては、昨年1月より、「欧州・ロシア」「東アジア」「アセアン」の3リージョン体制へ移行し、日本本社との連携強化・意思決定の迅速化を図っています。

　私たちカネボウ化粧品は、今もなお、白斑様症状で苦しんでおられる方、辛い思いをされている方のことを片時も忘れてはならないと肝に銘じております。白斑様症状の原因究明、治療法の確立、そして発症されたお客さまへの誠意ある対応を継続し、信頼回復に向けて引き続き全社一丸となって取り組んでいきます。