アンチエイジング市場で
明確な個性を放つシリーズへ
アルビオンは8月18日、「アンフィネス」シリーズを刷新し、30代からのハリ特化型エイジングケアシリーズとして進化を図った。
「アンフィネス」の属する価格帯は最も競争が激しく、個性が際立っていないと埋没してしまうため、従来と全く異なるテクノロジーを採用し、「ハリ」に集中特化することを目指した。
「アンフィネスの強化が会社の将来にとって重要」と語る梁田武夫 商品開発部 商品開発グループ長と、「アンフィネスを、アンチエイジング市場で明確な個性を放つシリーズへ育成していきたい」と語る丸島陽子 商品開発部 商品開発グループ 専門課長に、「アンフィネス」シリーズのリニューアルの経緯、今後の方向性について話を伺った。
さらなる成長を図るべく、
エイジングに特化したシリーズを強化
――まずは、「アンフィネス」シリーズを全面リニューアルするに至った経緯をお聞かせください。
梁田 当社では、うるおいに特化したシリーズとして「エクサージュ」を1997年にデビューして以降、このシリーズを中心に据え、ブランドの若返りを図りつつ、20代、30代のお客様を獲得してきました。
現在のお客様の年代別構成比をみると、20代後半から30代のところに大きな山があり、エクサージュ導入時の「若年層の獲得」という目標に対しては、成功といえる成果を収めています。
しかし、20代、30代に大きなボリュームゾーンを形成している現在の年代別構成比を考えると、今はちょうど次のステップに進む時期に差し掛かっているといえます。
今後、当社がさらなる成長を図っていくためには、エイジングケアに特化したシリーズを強化し、新たな出会いはもちろん、ご愛用者様から評価をいただけることが重要です。そうした背景から、今回、「アンフィネス」シリーズを全面リニューアルすることにしました。
従来と異なるテクノロジー採用し、
よりシャープにハリ効果に集中
――今回のリニューアルのポイントについて教えてください。
梁田 初代アンフィネスは2010年にデビューしましたが、明確なメッセージが伝わりきれていませんでした。
そこで今回のリニューアルでは、「明確にアンチエイジングシリーズということを打ち出していくこと」「最先端のテクノロジーで優位性を確立していくこと」「1品1品際立ったコンセプトと明確な肌効果を付与していくこと」の3点にこだわって商品開発を行いました。
――3つのこだわりは、商品にどのように落とし込まれていますか。
丸島 初代アンフィネスは、エイジング悩み全般に対処するということでターゲット年代を特定せずに展開してきましたが、今回のリニューアルでは、よりシャープなメッセージとして「ハリ最速ソリューション」を新たなシリーズコンセプトに据え、「30代からのハリ特化型エイジングケアシリーズ」というようにターゲット年代を明確にして進化を図りました。
今回のリニューアルを機に、20代からの保湿ケアシリーズは「エクサージュ」、30代からのハリ特化型エイジングケアシリーズは「アンフィネス」というアプローチを仕掛けていくことにより、「アンフィネス」シリーズの立ち位置を明確に打ち出します。
これにより、将来も美しくありたいと強く願う30代の女性こそ、今からアンフィネスを使うべきと多くの皆様に周知していきます。
最先端テクノロジーといった点では、臨床遺伝子治療学の権威、大阪大学 森下竜一 寄付講座教授との約5年にわたる共同研究により、320万通りにも及ぶペプチド配列の中から高機能ハリ特化型美容成分「OSK9(オーエスケーナイン)」を導き出せたことが非常に大きかったと思います。
これまでの美容成分は、無数の植物エキスをスクリーニングして最も効果の高い成分を探索していく手法を取っていたのに対し、「OSK9」はドラッグデザインの考え方を取り入れ、創薬の技術や知見から効果の高い成分同士を組み合わせてデザインしていく手法を用いて開発しました。
従来とは全く異なるテクノロジーを採用し、よりシャープにハリ効果に集約したからこそ、真皮をボリュームアップさせ、奥底から漲るハリを創生、より速く、より確実に、顔立ちが変わるほどの上向き肌へと導くことができる成分に仕上がりました。
美容医療やそのメソッドから着想、
個性際立つラインナップを実現
――中核成分「OSK9」は、これまでの美容成分と比較し、どのような点で差別化が図れるとお考えですか。
丸島 「OSK9」の開発にあたっては、線維芽細胞に働きかけてコラーゲンをたくさん生み出す成分の探索という1点に集中し、ハリに最大限効果を発揮するものだけに絞り込んで効果の高い成分同士を組み合わせてデザインしていきました。この方法こそが「アンフィネス」の目指すゴールに到達するうえで最も有効な手法だったからです。
また、「OSK9」は、アミノ酸が5つつながった非常に小さな構造のショートペプチドであるため、肌内部に成分が浸透しやすく、効かせたいところにダイレクトに届きます。これは、成分の大きさまでしっかり確認したうえでデザインしているからこそ成し得たことだといえます。
さらに、美容医療への関心がますます高まる中、各アイテムには、美容医療やそのメソッドから着想を得たトリートメント効果を持たせることで、個性際立つラインナップを実現しています。
クレンジングには電気の力で成分の浸透や汚れの除去を行う「エレクトロポレーション」、乳液には素早いコラーゲンの増殖を促す「ベビーコラーゲン注射」、化粧水にはヒアルロン酸をダイレクトに肌に注入する「水光注射」など、様々な美容医療からヒントを得ています。
特に、リフトアップ美容液「アップサージ ソリューション」(40mL・1万円)は、伸縮性のあるシリコンの糸を皮下に挿入し、たるみを引き上げる最新のリフティング施術「スプリングスレッドリフト」をイメージしました。
たくさんのハリ成分を肌の緩んだ部分に注入することで、瞬時に高密度なマットレスのような高弾力な肌に導きます。
――競争の激しいアンチエイジング市場において、どういう客層を取り込んでいきますか。
梁田 近年、アルビオンのブランド認知も高まってきています。しかし、アルビオンを知っている方でも、「スキコン」や「エクサージュ」といった名称は出てきても、「アンフィネス」という名称はほとんど出てきません。
裏を返すと、アルビオンは「エクサージュ」を主体にした保湿系に強いメーカーであるというイメージが定着しています。
つまり、アルビオンは知っているものの、エイジングケアのイメージが弱いために、私のブランドではないと考えているお客様が少なくないということです。よって、エイジングケアで接点を見出していく際には大胆な展開が必要です。
新アンフィネスでは、「30代からのハリ特化型エイジングケアシリーズ」であることを明確に伝え、ハリ肌を求める30代以降のお客様を取り込んでいきます。
「ハリ」というキーワードをストレートに訴求していくことで、自ずと「アンフィネス」の可能性は広がっていくと考えています。
アンフィネスファンの増大が
永続的な顧客づくりの礎に
――今後、「アンフィネス」をどのように育成していきますか。
梁田 当社では、年齢を重ねるごとにステップアップしてもらうことを念頭に、「エクサージュ」「アンフィネス」「エクシア」と3つのシリーズ体系を構築し、スムーズな顧客育成を目指しています。
この20年で「エクサージュ」が柱として確立し、「エクシア」も息の長いシリーズとして愛用者を増やしています。こうした中、「アンフィネス」はシリーズとしても若く、最も伸びしろがあると感じています。
また、「エクサージュ」から「エクシア」へジャンプアップすることは現実的ではないと考えると、3シリーズの中間に位置する「アンフィネス」が磐石になっていくことが、永続的なお客様づくりに向けて非常に重要なポイントになると思います。
3シリーズが全て強くなっていくことが理想ですが、まずは盤石化している「エクサージュ」を伸ばしていく中で、「アンフィネス」を次の柱に確立していくことを目指します。
アンチエイジング市場では、まだ手掛けていないことや訴求しきれていないことがありますので、それを着実に実行に移し、一人でも多くの「アンフィネス」ファンを増やしていきます。
これこそが、当社の将来にとって非常に重要なことであり、永続的なお客様づくりといった観点からも成し遂げなければならないことだと考えています。
丸島 エントリーシリーズとして多様な魅力のある「エクサージュ」と、ハイプレステージを主戦場とする「エクシア」に対し、「アンフィネス」はその中間に位置し、どちらの領域も侵食してはならず、存在感の出し方に難しさがあります。
こうした中、絞り込みを行い、個性を際立たせることにより、「アンフィネス」を印象深いシリーズにしていきたいと考えています。
この価格帯は最も競争が激しく、個性が際立っていないと埋没してしまいますので、従来とは全く異なるテクノロジーを採用し、「ハリ」に集中特化することで、シリーズの特徴をますます際立たせていきます。
また、「アンフィネス」からヒット商品が生まれ、「エクサージュ」のように多くの人々に認知されるシリーズに育成していくことを目指します。