EC売上の伸び悩みによくある声…
リピート率を上げたい、クロスセルを促進してリピート単価を上げたい、
併売率を上げたい、年間LTVを改善したい、
管理画面をもっと分析できる仕様にしてアクティブ顧客や休眠顧客に対して適切なCRM施策を投入したい、
競合他社のECサイトと同等以上のキャンペーン機能を実装したい…等々。
ある一定の規模になると、
サイトの利便性やコストの削減、業務効率、運用コスト、
分析と販売戦略の再策定など、EC事業のあらゆる課題を見直す時期が訪れ、
EC受注システムのリニューアルにおける投資を検討する時がきます。
投資の決断をしないまま、ASPでECサイトの運用を続ければ、
ランニング費用を抑えることができますが、
物流・基幹などにあわせたシステム連携、
カスタマイズが充分に行えないため、拡張性に難があります。
また「スマホ対応」などの時流に合わせた開発も必要になってきます。
取り扱いアイテム数が増えてクロスセル施策の実行や、
ブランディング・顧客ロイヤリティを意識したCRM施策などを実行する上でも、
運用に限界を感じる事業者様もいるかと思います。
自社内で現在の商品特性、ターゲット顧客、サイト規模、運用フロー、
将来の方向性などを協議し、現状の課題とリニューアルの目的を明確にすることはできたが、
いざECシステムのリニューアルにかかる予算をベンダーに呈示されても
果たして適切な投資なのかが判断しにくい…。社内決裁をとりにくい…。
単品リピート通販もある程度の規模になると、ASPを卒業し、
中規模~大規模EC受注システムへの移行(リニューアル)において、
投資の妥当性を判断する必要が生じます。
そこでROIを予測する必要が生じます。
※ROI=Return On Investmentの略。
日本語では「投資利益率」といい投資対効果の意味。
「投下した資金からどれくらい効率的に利益を得ているか」を測るための指標。
ROI={(売上-売上原価)-投資コスト}÷投資コスト✕100 (%)
売上から売上原価を引いた「売上総利益」を算出し、
そこから投資したコストを差し引いて、再度投資したコストで割ると ROIが算出できます。
このROI数値は高ければ高いほど良いです。
しかしここでは
事業会社毎の会計方針に影響を受けない共通の軸であるNPV(正味現在価値)
で比較する考え方をご紹介します。
NPV(正味現在価値)とはNet Present Valueの略で、
投資の費用対効果(ROI)を測る代表的な指標を表します。
投資判断指標であるROIに比べてキャッシュ・フローを用いることで
会計方針等に影響を受けない共通の軸で比較できるのが特徴です。
企業が事業活動から得たキャッシュから、
投資にまわしたキャッシュ・フローを差し引いた、
自由に使うことができるキャッシュである「フリー・キャッシュ・フロー」を累計したものが
正味現在価値 ( NPV ) となり、数値の大きさで投資の判断を行います。
次回は、具体的な数値例を使って、
まずはキャッシュ・フローの「将来価値」「現在価値」の算出方法からご説明します。
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