カルモア、原因から調査・分析し臭気対策

週刊粧業 2018年3月26日号 14ページ

カルモア、原因から調査・分析し臭気対策
 空気環境の改善サービスを行っているカルモア(本社=東京)は、住居や産業工場などあらゆる施設の臭気・脱臭、カビ対策サービスを展開している。

 目に見えない臭いを視覚化する「ニオイセンサー」の開発が創業の原点であり、臭気対策事業のパイオニアとして、営業担当者ほぼ全員が臭気判定士の資格を持ち、40万種類以上の臭気に対し対策を講じることができるのも強みだ。

 同社では、悪臭原因物質の特定や排出状況を把握し、目標を明確化して必要最低限の対策提案を行っている。脱臭作業は、オゾン薫蒸法、酸素クラスター脱臭法、消臭剤噴霧など様々な手法を組み合わせて臭気を除去しており、食品製造工場や病院・医療施設などニオイが発生するあらゆる施設・場所に対応できるという。



 化粧品業界において増えているのが、香料のニオイ除去だ。香料や原料によっては配管洗浄などを行ってもニオイがとれず、他の製品を製造する際にニオイが移ってしまうという課題があった。

 これを受け今回、産業用消臭剤の「マイクロゲルK―SH」を開発。化粧品特有の香料などのニオイを効果的に消臭するという。

 このマイクロゲルはもともと他の産業でも導入されていた往年の人気製品だ。反応型高分子化合物を消臭主成分とし、臭気物質と接した際に、強力な分子間引力で自己の構造体に臭気を吸着・化学処理する。同高分子構造体の中に両性イオンの反応基を持っているため、分子量の小さいアンモニアや硫化水素だけでなく、比較的大きい分子量を持つ香料などもマイクロゲルの分子構造中の反応基に結合される。

 消臭剤でマスキングするのではなく、ニオイの原因となる分子を結合し、ニオイを無効化するため、ニオイを根本的に処理することが可能となる。

 水道水で希釈して使用する濃縮タイプで、コストパフォーマンスの高さから引き合いが高まっているという。

 「臭気成分に合わせて反応基や添加剤を変え消臭剤をカスタマイズしており、当消臭剤は洗剤と同時に使用できるため、製造装置の自動洗浄工程にも導入できる。まずはサンプルを使っていただき、評価の後に導入に向けて調整したい。化粧品業界においてもニオイのエキスパートとして認知を拡大したい」(森木怜空気環境事業本部産業設備チーム・臭気判定士)
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