岩瀬コスファ、美白作用のある海洋微生物由来エキスの提案を強化

C&T 2019年3月15日号 40ページ

岩瀬コスファ、美白作用のある海洋微生物由来エキスの提案を強化
 岩瀬コスファは、今年1月より日本ルーブリゾール社の扱うLipotec製品の総代理店となり、同社製品を中心に美白・サンケア原料の展開を強化している。

 スペインの原料メーカーであるLipotec社では、ペプチドなどの合成分子、海洋微生物由来のエキス、植物由来のエキスなど多岐にわたるアクティブ原料を扱っている。

 同社が扱う海洋微生物由来のエキス「BRIGHLETTE(ブライレット) marine ingredient」(BRIGHLETTEはLipotec社の登録商標)は、メラニン形成タンパク質遺伝子の調節、チロシナーゼの発現・活性抑制、メラニンを生成する細胞小器官の成熟阻害、メラノソームにおけるメラニン産生抑制など色素沈着の複数のプロセスに作用する特長があり、こうした作用については各種試験によって、効果を確認している。

 例えば、メラニン形成遺伝子の発現調節に関するマイクロアレイ解析を実施したところ、同品がメラニン形成シグナル伝達経路やメラノソーム、メラニン合成酵素に対応する遺伝子といった色素沈着プロセスに関与する複数の遺伝子を調節していることがわかった。

 また、メラノソームにおけるメラニン産生抑制については、各種濃度の「BRIGHLETTE marine ingredient」を用いて、ヒト表皮メラノサイトを処理する試験を実施。未処理細胞をコントロールとし、13日間培養して2~3日間ごとに繰り返し処理したところ、コントロールと比べてメラニン量の生成が最大で61.3%減少していることがわかった(図1)



 さらに同品は、若さの維持に重要でありながら、紫外線に曝された際に損傷が発生するDNA修復経路の成分を調節し、皮膚細胞のDNAを修復する遺伝子の発現を強化することも期待できるという。

 in vivo試験よる評価では、過剰色素沈着部位とそれ以外の部位の、肌の色むらを減少させる効果において有用であることがわかっている。

 試験では、皮膚に過剰色素沈着部位を持つアジア人女性ボランティア被験者グループ22人(38~53歳)に対し、「BRIGHLETTE marine ingredient」を2%含有するクリームと、プラセボクリームを1日に2回、8週間塗布した。

 まず、美白効果・シミのコントラスト・肌のむらに関する調査では、分光光度計を用いた輝度パラメータ(L*)を評価し、続いてL*の値に基づいて、個別類型角(ITA°)を計算し、自然な肌の色の変化の定量測定を実施した。この場合、肌の色が明るくなるほど、L*とITA°の値が大きくなる。

 その結果、過剰色素沈着部位以外の肌ではL*が2.1%、ITA°が7.0%増加することが観察された。さらに過剰色素沈着を生じている肌では、L*が2.5%増、ITA°が15.3%増と、より高い効果が得られることが確認された。このL*とITA°について、過剰色素沈着部位と過剰色素沈着を生じていない部位の色のコントラストについて計算したところ、ITA°コントラストも12.7%減少している。

 次に、過剰色素沈着部位に含まれるメラニン量に対する効果を、反射共焦点顕微鏡を用いて測定した。この測定では、ボランティア被験者2名の画像を、画像解析ソフトウェアを用い、過剰色素沈着部位におけるメラニンの強度を求めた。

 この結果、過剰色素沈着部位におけるメラニンの強度は、処理終了時に平均で61.1%減少したことがわかり、シミに含まれるメラニン量減少に有用であることがわかった(図2)

 同社は、こうした試験結果を踏まえ、美白効果を備えた化粧品のほか、シミを抑え、肌の色むらをなくすエイジングケア製品への使用を期待している。

 サンケア原料では、微粒子酸化チタン分散体「TD-85A-PG」「TDB-85CA-P」(チタン工業)の提案を強化している。

 従来の微粒子チタンは、サンスクリーン製剤へ配合すると白浮きの原因となりやすいが、チタン工業では、この点を改善した製品を開発した。

 「2原料のベースとなる分散体のST-485は、形状が棒状のため、優れた透明性を示すことが特長になっている。そのため、従来のチタン分散体の欠点となる白浮きを抑制しながら、同等の紫外線防御効果を発揮することができる。さらに同原料を分散体としたことで、ハンドリング性も向上させている」(同社)

 同社では、分散体を2種ラインナップしており、シクロペンタシロサンに微粒子チタンを分散させた「TD-85A-PG」と、水添ポリイソブテンに分散させた「TDB-85CA-P」を揃えている。中でもTDB-85CA-PはO/W製剤にも配合可能である。

 「同品は、欧州化粧品規制にも対応しており、グローバルでも使用することができる。昨春に展開をスタートし、ノンケミカル処方を検討中のお客様を中心にご提案したところ、サンプルの引き合いもかなり多くいただいている。今年のCITE Japan 2019でも注力製品として紹介していく予定だ」(同社)
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