アルビオン、自社単独での亜臨界DME抽出技術の開発へ

粧業日報 2020年3月11日号 2ページ

カンタンに言うと

  • リコーと技術資産譲渡で合意、共同研究を発展的に解消
アルビオン、自社単独での亜臨界DME抽出技術の開発へ
 アルビオンはこのほど、かねてよりリコーと共同研究を行ってきた「亜臨界DME(ジメチルエーテル)抽出技術を用いた化粧品原料抽出技術」について有用性の検証と実用化への見通しが立ったため、共同研究成果としての知的財産権(リコー保有分)を同社より取得したうえで共同研究を発展的に解消し、自社単独での新抽出技術の開発に取り組むことを発表した。

 ジメチルエーテル(DME)は、生体毒性が極めて低いガスであり、加圧することで液化し亜臨界状態となる。この亜臨界状態となったDMEは水と水溶性成分を可溶、脂溶性成分を易溶とするため、この亜臨界DMEを用いて植物の成分抽出を行うと、室温で高効率な抽出が可能なうえ、常温常圧下に戻すことで容易に揮発するDMEの性質により、同抽出物は非加熱での溶媒除去と濃縮が可能となる。

 リコーとアルビオンでは、これらの亜臨界DMEの特性が、従来の溶媒抽出と比較して植物から化粧品向け高効果成分を抽出するために非常に有効であり、植物由来成分抽出の全く新しい技術として実用化の可能性が極めて高いと判断し、2018年4月より共同研究契約を締結。亜臨界DMEを用いた抽出技術の実用化検討、同技術により抽出した成分と従来技術での抽出成分との比較・検証を行ってきた。

 その結果、亜臨界DMEを用いた安定的な抽出技術の確立が成し得たことと、研究対象植物の抽出成分比較において、亜臨界DMEを用いた抽出成分に従来品に対する明らかな優位性が見られたため、アルビオンは同技術を自社の独自技術とすべく、リコーにより取得されていた同技術の知的財産権を同社より有償にて取得。同社との共同研究を発展的に解消し、同技術を自社の独占技術とすべく自社単独で新抽出技術の実用化に向けた研究開発を推進することになった。

 今後は、この技術を用いた自社オリジナル化粧品原料の開発と商品への配合を検討していく。また、リコーとアルビオンはさらなる新しい研究テーマを通じた連携や共同研究を検討していく。
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