ナユタ、主体的な提案に注力、厳しい環境下もアイデアで勝負

週刊粧業 2020年7月13日号 53ページ

ナユタ、主体的な提案に注力、厳しい環境下もアイデアで勝負
 OEMメーカーのナユタは、ウィズコロナの新たなニーズに合わせた提案に積極的だ。

 直近の研究開発での取り組みについて、山﨑尋士代表取締役に話を伺った。

 ――現在、研究開発ではどのような取り組みを進めているのでしょうか。

 山﨑 新型コロナウイルスの感染拡大以降、お客様のニーズが変化してきている。

 当社としては、夏場のウィズコロナ需要を見込んで開発に注力しており、これまで以上に積極的な提案を行っている。

 今回、マスク用スプレーを開発した。マスクに吹きかけることで、蒸れやすい夏場でも快適に過ごすことができる。

 グループ会社ではすでに商品化し、サロンを中心とした提案を開始した。仕事柄常にマスク着用が求められる美容師の方々からも好評をいただいている。

 コロナ禍における潜在的なニーズを見つけ出し、開発につなげていくことが直近での注力事業となる。

 製造面での難しさはあるものの、可能な限り技術や設備を駆使し、さらにアイデアを活用していきたい。

 生産体制についても、新しい形を模索している。通常、工場ではライン工程が一般的だが、小人数でのセルタイプの生産体制を構想している。

 具体的には製品とコストのバランスになるが、事業成長を続けていくため、工場でも新しいモノづくりを進めていきたい。

 ――3月以降の業況はいかがでしょうか。

 山﨑 新型コロナの影響で、5月は一時的に受注が落ち込んだ。しかし、新しい取り組みを始めるチャンスとして前向きに捉えている。また、幸い6月以降はある程度受注が戻ってきている。

 今後はさらにスピード感を意識したモノづくりに注力したい。ニーズに合わせた製品開発はもちろん、スピーディな試作づくりで競争力を出していく。

 こうした厳しい状況下では、アイデアで勝負しなければ生き残ることは難しいだろう。

 隙間を探すアンテナとスピード感に加え、実現可能な技術でどれだけ新しい提案をできるかが鍵になる。
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