一丸ファルコスは5月、天然植物由来の新規化粧品原料として3製品を発売した。
新規原料は、乳幼児の柔らかな肌を構成する「Ⅲ型コラーゲン」の産生を促す「ベビコラ〈カーネーション花エキス〉」、加齢による「しぼみ肌」に着目した脂肪細胞活性化素材「アデプルン〈アルニカ花エキス〉」、幸せのシンボルである四つ葉のクローバーを素材とするSDGs対応原料「ハピクロ〈シロツメクサエキス〉」の3品目。いずれも、サトウキビ由来の植物性1,3-ブチレングリコールを使用している。
「ベビコラ」は、肌の柔らかさに関与するⅢ型コラーゲンの産生を促す機能性原料。肌の柔らかさを改善して復元力を取り戻し、寝跡や表情じわなど癖がつきにくい肌へと導く。
コラーゲンの中でも体内に最も多いⅠ型コラーゲンは、皮膚や骨を強くし、真皮全体のハリ強度を生み出す働きがある。
Ⅲ型コラーゲンは、そのⅠ型コラーゲンの固い線維束に入り込むことで、肌に柔らかさを与える。幼児の頃に多く存在することから、「ベビーコラーゲン」とも呼ばれている。また、創傷治癒に最も早く働くコラーゲンであり、肌の回復力(復元力)をもたらす。
「ベビコラ」は、真皮線維芽細胞におけるⅢ型コラーゲンの産生を促し、女性ホルモン受容体を増加させる作用が確認された。また、Ⅲ型コラーゲンの成熟化に必要な酵素・メプリンの産生を促すことが認められ、肌の柔らかさ向上や跡付き防止への働きが期待できる。
ヒトモニター評価試験(モニター:30~40代女性12名)では、1%ベビコラ配合ローションを1日2回、塗布から4週間後に肌の柔らかさと肌の復元力がともに増加することを確認した(図)。
また、ゴム跡のくぼみが減少し、跡付きが有意に低減することも確認され、コロナ禍でのマスクの長時間着用後によるマスク跡のケアにも有効な原料であるといえる。
「アデプルン」は、加齢や紫外線による「皮下脂肪の退縮・減少(しぼみ肌)」に着目した機能性原料で、COSMOS APPROVEDの認証を取得している。
皮下脂肪層がボリュームダウンした「しぼみ肌」は、肌のハリが低下して肌表面に凹凸が生じ、ほうれい線などのシワや頬がこけるなどのくぼみとなって、陰影のある暗い印象を与える。老け顔になる要因の1つであり、しぼみ肌の改善には皮下脂肪細胞を補充することが重要となる。
アデプルンは、皮下脂肪細胞の増殖と分化を促進する作用と、脂肪細胞スフェロイド体積を増加させる作用が認められた。
ヒトモニター評価試験(モニター:40~60代の男女12名)では、1%アデプルン配合のフェイスジェルを1日2回、リップジェルを1日3回、4週間塗布により、試験前に比べ、ほほ部および口唇部の体積が有意に増加した(図)。また、1%アデプルン配合フェイスジェルの1日2回、4週間の塗布では、試験後にほうれい線のシワ幅が有意に減少することが認められた。
以上から、「アデプルン」は、頬や唇のボリュームアップとシワの改善を同時に訴求し、若々しい肌へと導く。老け顔に見えやすい部位の集中ケアなどに有効とされる。
「ハピクロ」は、幸せのシンボルでもある四つ葉のクローバーから抽出したエキスで、SDGsに配慮した素材として紹介を開始した。「四つ葉のクローバー」として、第1類・第3類での商標を取得しており、肌への美容効果とともに製品のイメージアップも訴求できる。
通常、四つ葉に出会える確率は1万分の1、10万分の1とも言われるが、愛知県田原市は、四つ葉を含んだ多葉性株シロツメクサの生産が盛んな地域として知られ、多葉性株の栽培・生産を通して街おこしや障がい者の就労支援を行う「幸せの四つ葉プロジェクト」を推進している。
同社は、そのプロジェクト活動に共感し、「ハピクロ」には同市内の社会福祉支援施設で生産されたものを使用。原料販売を通じて田原市の活性化を支援していく。
また、「ハピクロ」には園芸栽培で間引きされた不用部位のクローバーを使用しており、持続可能(サステナブル)な幸せをもたらす化粧品原料として紹介していく。
「ハピクロ」は、エラスチン産生を促す作用や、加齢による皮膚の硬化や弾性低下に関与するDANCE(Fibulin-5)の産生を促進する作用が認められたほか、ヒトモニター評価試験(モニター:30~50代女性12名)にて、口角が上がり、頬もリフトアップする結果が得られた。
エラスチンの産生を促進する作用が肌のハリ・弾力を改善し、口角アップや頬のリフトアップをもたらしたと考えられる。
また、幸せを感じるときに脳内に分泌されるホルモン「β-エンドルフィン」の表皮細胞からの産生を促す作用があることも確認されている。