日本天然物研究所、NMPA登録原料増やし越境ECと一般貿易品にも対応

週刊粧業 2021年8月30日号 11ページ

日本天然物研究所、NMPA登録原料増やし越境ECと一般貿易品にも対応
 化粧品の原料開発からOEM、消費者向けの商品販売をグループで手掛ける日本天然物研究所は、今年7月に化粧品製造工場で品質・安全性に関する国際規格「ISO22716」を取得し、「世界初」(同社)の発酵熟成プラセンタ等を活用したユニークな商品を提案できる環境を整えている。

 今後の取り組みや展望について、三井幸雄社長に話を伺った。

 ――注力施策を教えてください。

 三井 大きく3つの施策を掲げている。

 1つ目は、中国展開の強化だ。2018年末に設立した中国の合弁会社や国内で採用した中国人社員を活用し、現地の展示会へ出展するなど、原料・OEM・自社販売の各領域で市場への販促を進めている。

 特に、商品が溢れる市場では越境ECでの展開だけでは売上を伸ばすのは難しくなったため、現地でも販売できるNMPA認証の取得を進めている。細かい規制を含めてハードルも多いが、合弁会社と連携することで迅速に対応していく。

 実際、現地では当社の技術力を評価いただいており、サイトカイン(細胞増殖因子)を豊富に含む馬の「羊膜エキス」に関する研究がこのほど、中国政府の科学技術部とJICA(独立行政法人国際協力機構)による日中連携共同事業の一次審査を通過している。

 このほか、ベトナムやロシア、台湾等7カ国にも展開しており、例えば台湾では抗ウイルス・抗アレルギー作用が期待できる「ツバメの巣エキス」の受注が急増している。将来的にはアジアに加え、イスラム圏への進出も視野に入れている。

 2点目として、海外含め幅広い需要に対応するため、植物エキスの開発に注力している。当社は動物由来のユニークな原料を強みとするが、今後は有効成分を豊富に含む国内外の特長的な植物の抽出エキスも積極的に開発していく方針だ。

 3点目として、第4工場の設立を予定している。当グループは2つの原料工場と化粧品製造工場を有しているが、健康食品原料を粉末化するスプレードライ・フリーズドライ専用工場を、来夏を目途に建設する。

 我々は、グループ全体で「世界初」を謳えるユニークな原料を使った商品を企画・提案できるため、ぜひご活用いただきたい。
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